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コラム
専門弁護士でなければだめですか?
2014年5月28日 公開 / 2023年9月23日更新
弁護士の「専門」表示は、その弁護士の能力を客観的に示しているものではなく、その弁護士のやる気を表している程度に考えた方がよいことは、以前お話ししました。
弁護士側の感覚
関連しますが、弁護士の側の感覚としては「力を入れたい分野はあるが、その分野しかしないで済むわけでもない。関連する別の分野の知識が必要になることもあるので、幅広い知識も必要になる。」という感覚が意外と根強いのではないかと思います。
弁護士同士でも、ただひたすらある特定の分野しかしない弁護士よりも、特定の分野に力を入れていてもバランスが取れているという弁護士の方が、評価が高いのではないかと思います。
ゼネラリストも悪くない
そう考えると「何でもやる」という弁護士も、決して悪いものではないと思います。
むしろ「視野を広くして物事を解決してくれる」という期待が持てるのではないかと思います。
ゼネラリストである弁護士や、専門があるがバランスがとれている弁護士を求めることは、決して悪いことではありません。
むしろプラスになるのではないでしょうか。
広告は専門性へ
ですが、現在の弁護士の広告の方向は確実に「専門性」「実績」といった、一見してわかりやすいものを目立たせる方向に向かっています。
これは、弁護士が急激に増加して「すぐ仕事が欲しい」という競争状態にあるという弁護士業界側の要因が大きいと思います。
ですが、そればかりではなく、わかりやすい広告に飛びつきがちな一般消費者心理にも大きな要因があるのではないかと思います。
本来誇大広告や悪徳商法から皆さんを守るべき立場の弁護士がこういうことになってはどうかと思います。
ですが、現実としては、みなさんも気をつけて弁護士を選ばなければ、こんなはずではなかったということが生じかねません。
安易に飛びつかないでください
わかりやすい広告には安易に飛びついたりしないようにして、冷静に考えてから、相談する弁護士、依頼する弁護士を決めていただければと思います。
私自身も、医療分野に力を入れていますが、決してこればかりしているわけではありません。
医療知識をよく使う交通事故の事件も多いですが、それでもこの二つだけでは事件全体の50%にも達しません。
離婚や相続などの家事事件、借金の相談や、会社同士の取引に関する問題も、もちろん取り扱います。
こうした他の分野も取り扱うことによって、違う立場の相手の心境や狙いなどを理解しやすくなったり、税務面への配慮を失念して落とし穴にはまるようなことも防止できるようになったりします。
「専門」もいいですが、バランス感覚や「ゼネラリスト」も悪くないですよ。
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