最近の弁護士の傾向?
最近、借金の整理や過払い金の回収をうたった、弁護士や司法書士の広告をよく目にするのではないかと思います。
以前はテレビCMも頻繁に行われていましたが、最近はラジオCMや新聞広告、折り込みチラシなどが増えてきたと思います。
似ている広告が多い
ところで、これらの広告ですが、いつも全く同じ弁護士や司法書士が出している広告ではないのに「似ている」と思ったことはありませんか?
実は、似ていることにはきちんと理由があります。
その理由とは、「顧客を効率的に獲得する」目的で、経営コンサルティング会社や広告代理店などがアドバイスをして行っている広告であることがほとんどだからです。
稼げる事件の広告が多い
こうした目的の広告の場合、効率のよい事件、顧客が欲しいですから、少しでも「稼げる」「おいしい」事件の依頼が受けられるような広告内容になります。
例えば、過払い金を回収する事件の依頼を増やす目的で、借金の整理や過払い金の回収を謳う広告が必然的に多くなります。
また、少しでも印象をよくするため、男性女性のバランスがとれた、人物の写真つきの広告を掲載する傾向があります。
こうして、似たような内容の広告ばかりとなっていくのです。
実態を知ってください
もちろん、こうした広告の全てが悪いとは言いません。
しかし、以前のコラムにも書きましたが、今回紹介したような広告を出している弁護士もやはり「債務整理や過払い金の回収に特に精通している」とは限らないのです。
また、このような広告を出している士業の中には、札幌に事務所を置いていない人もいます。
そういう場合、依頼していることについて何か疑問点が生じても、すぐに面談して相談できないというリスクがあることを知っておかなければなりません。
経営コンサルティング会社や広告代理店などは、あくまでも「弁護士や司法書士側の費用対効果(集客と収益に対する広告効果)」を目的として追及し、こうした広告を提案するものです。
これ自体は、経済合理性からすればおかしなことではありません。
ですが、弁護士に相談したり、依頼したいと思う皆さんから見れば話は別です。
弁護士の収益を目的としている広告が、皆さんにとって最も参考となる情報を掲載してくれているかというと、そうとは限らないのです。
こうした観点から、弁護士や司法書士の広告を見るときには、その内容が皆さんにとって本当に有益な情報となっているか、他の弁護士などと比較しなくてよいかどうかなど、なるべく慎重に検討して判断していただきたいと思います。