治療が終了した交通事故の被害者がやること
被害者にしても、加害者にしても、たまたま事故を目撃してしまったという場合でも、交通事故の場面で最低限やっておくべきことがあります。
当事者を残す
まずは、とにかく現場に当事者を残すことです。
加害者になってしまったら、気が動転して逃げたくなってしまうかもしれません。しかし、加害者がいなくなってしまったら「ひき逃げ」として処罰されてしまう可能性があります。絶対にその場を離れないようにしましょう。(10年以下の懲役刑が科せられる可能性があります。)
負傷者の救護
次は、もちろんけが人の確認です。
直ちに車を止めて負傷者の有無を確認します。負傷者がいる場合は、直ちに病院に行ってもらいましょう。
警察への通報
けが人の確認をしたら、警察へ連絡をします。
これも法律上の義務なので、物損・人身にかかわらず、速やかに警察に連絡しましょう。連絡方法は110番で大丈夫です。
証拠の確保
次は、証拠の確保です。
警察を呼んだとしても、警察がこちらの欲しい証拠を残してくれるとは限りません。また、警察は基本的に人身事故の場合しか捜査しないので、物損事故だけの場合は警察から有効な証拠を得ることが難しくなります。
ですから、余裕がある場合には、必ず事故現場の状況を証拠に残しておくようにしましょう。スマートフォンなどのカメラで撮影したり、相手の発言を録音に残したり、単にその場でメモを残しておくだけでも、何もない場合とは全然違います。
そのほか、相手の住所氏名などの特定情報や、車の車種やナンバー、保険会社の名前など、関係しそうな情報をできる限り聞き取っておいたり、資料をスマートフォンなどのカメラで撮影させてもらって残しておくなどできるとさらに良いと思います。
保険会社への連絡
最後に、保険会社に事故報告をします。
加害者であれば、相手方への賠償のために当然必要なことです。
被害者であっても、自分の保険会社に報告をしておきましょう。
100%完全な被害者であればともかく、そうでない場合、または、100%被害者かどうかわからない場合には、自分の側に過失があるとされてしまい、自分の保険を使わなければならなくなる場合もあるからです。
また、100%被害者だとしても、人身傷害補償特約や弁護士費用保険など、自身の保険の特約を利用することができる場合もあります。このような自身の保険を利用できる場合には、メリットデメリットを考えながら有効に利用することが大切です。
ですから、必ず一度は自分の保険会社に事故報告をしましょう。
なお、被害者の場合、弁護士費用保険がついているのであれば、できる限り早めに弁護士に相談することをお勧めします。