遺言書は思い立った今が書き時
第1回 遺言は「家族への未来のメッセージ」
「遺言」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。
高齢になったら考えるもの。
財産がたくさんある人が作るもの。
人生の終わりに準備するもの。
そんなイメージを持つ方が多いのではないかと思います。
実際、私も行政書士としてご相談を受ける中で、「まだ若いから必要ないですよね」「遺言を書くにはまだ早いですよね」という言葉をよく耳にします。
しかし、私は少し違う考えを持っています。
遺言は高齢者のためだけのものではなく、人生の節目に書くもの
結婚したとき。
子どもが生まれたとき。
住宅を購入したとき。
起業したとき。
人生には、自分自身や家族の未来について考える機会が何度も訪れます。
そのような節目ごとに、「今の自分は何を大切にしているのだろう」
「家族にどのような未来を願っているのだろう」と考えてみる。
私は、それも遺言の大切な役割だと思うのです。
人生を振り返る時間
遺言というと、「財産をどう分けるか」を決めるための書類という印象が強いかもしれません。
もちろん、それも大切な役割です。
しかし、私は遺言にはそれ以上の意味があると考えています。
遺言を書こうとすると、「誰を大切に思っているのか。」「何を守りたいのか。」「どのような人生を歩んできたのか。」そんなことを改めて振り返ることになります。
私は、この時間そのものに大きな価値があると感じています。
遺言は家族への未来のメッセージ
これまで相続や遺言に関するご相談をお受けする中で感じるのは、ご家族が本当に知りたいのは、財産の額そのものではなく、「本人はどのように考えていたのか」ということだったりします。
もし、その想いが残されていたら。
もし、その願いが伝えられていたら。
ご家族はその気持ちを大切にしながら前へ進むことができます。
だから私は、「遺言は家族への未来のメッセージ」だと思っています。
亡くなった後のためだけに書くものではありません。今の自分から、未来の家族へ向けて贈るメッセージです。
「遺言は高齢者のものではなく、人生の節目に書くもの」
遺言は、人生の節目に書くものという文化を広げていきたいと思っています。
遺言は財産を残すためだけのものではありません。大切な人への想いを言葉にする、家族への未来のメッセージでもあります。
この連載を通じて、遺言をもっと身近なものとして感じていただければ幸いです。
次回は、
「30代で遺言を書くのは早すぎる?」について考えてみたいと思います。


