円安で日本人がヤバいことになっている事実を知っておくべき
『資産所得倍増プラン』で日本人にとって投資が当たり前になるか
岸田政権が『経済財政運営と改革の基本方針 2022』の中で
「本年末に総合的な『資産所得倍増プラン』を策定する」
と発表しました。
岸田さんは以前「金融所得課税強化」を掲げましたが、日経平均株価は岸田政権の発足を挟んで8営業日連続で下落、、、
さすがにこれはまずいと思ったのでしょう。
日本経済復活のために方向転換しました。
ご存知の方も多いと思いますが、日本は個人金融資産のうち50%以上が現金・預金で保有されています。
これは欧米と比較するとかなり高い比率です。
出典:日本銀行ホームページ 資金循環の日米欧比較
欧米はこの30年間で所得も金融資産も(物価も)かなり上昇していますが、日本は金融資産も実質賃金もほとんど増えず長年デフレで苦しみました。
出典:金融庁ホームページ 人生100年時代における資産形成
多くの日本人が所得が増えず、税金や社会保険料の負担が増え、さらには最近の物価上昇です。
そこで現金預金の一部を金融資産として持つことで、金融所得を得られるようにしようというものです。
『経済財政運営と改革の基本方針 2022』の中に
- NISAの抜本的拡充
- iDeCo制度改革
- 国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設
が明記されています。
推測ですが、おそらく『つみたてNISA』の非課税投資枠拡大、投資可能期間と非課税期間の恒久化が実現するのではないでしょうか。
そんな『つみたてNISA』をこれから始めてみたい人もいるでしょう。
というわけで今回のテーマは
『つみたてNISAの口座開設は最寄りの銀行でいいの?』
です。
このコラムを読めばつみたてNISAの口座開設で、最寄りの銀行とネット証券の違いがわかります。
結論を一言でいうと
『つみたてNISAはネット証券で口座開設がオススメ』
です。
窓口で相談できる銀行が安心?
お客様からの相談で
「つみたてNISAを始めようと思います。給与振込口座のある最寄りの銀行と楽天証券のどちらで口座開設するか悩んでいます。」
とありました。
多くの人が給与振込口座は
- ゆうちょ銀行
- 地方銀行
- 都市銀行
であることが多いでしょう。
そうなるとつみたてNISAのような投資を始めたいときに
「窓口に行けば親切に教えてくれそう」
と考えるかもしれません。
しかし気軽に、しかも無料で相談に行ける銀行窓口での口座開設はオススメしません。
その理由は4つあります。
- 取り扱い銘柄の本数
- 大手銀行の場合、引き落としは自行のみが多い
- ネット証券なら毎月100円から積立可能
- 窓口販売では相手が売りたいものを売ってくる可能性がある
1つずつ解説していきます。
①取り扱い銘柄の本数
つみたてNISAで投資できる銘柄は、金融庁が定める厳しい条件をクリアした約200本の投資信託などです。
「200本もあったら選べない」
と思うかもしれません。
大手銀行では取り扱い銘柄が10本前後です。
その中に目当ての銘柄があればいいのですが、さすがに少ないように思います。
大手証券会社でも多くて20本程度。
大手ネット証券であれば180本前後を取り扱っています。
「何を選べばいいか全くわからない」
なら少し勉強しましょう。
ネットでも良質な情報は無料で手に入ります。
もちろん間違った情報には気をつけなければいけませんが。
投資では無知が最大のリスクです。
自分なりに勉強して
「これだ」
という銘柄に投資するためにも、選択肢の多いネット証券がおすすめです。
②大手銀行の場合、引き落としは自行のみが多い
つみたてNISAでは毎月自動積立で投資ができるのですが、引き落とし口座を設定しなければいけません。
給与振込口座からの引き落としが、残高不足になる心配が少ないのでオススメです。
都市銀行や地方銀行でつみたてNISA口座を開設して引き落としできるのは、ほとんど自行のみです。
一方でネット証券は全国450以上の銀行などに対応していることが多いので、給与振込口座から自動引落で積立投資ができるはずです。
③ネット証券なら毎月100円から積立可能
これはそこまで重要ではありませんが。
「ほんの少額から投資を試してみたい」
というのであればネット証券です。
月額100円から積立可能なのです。
大手銀行では1,000円〜が多いですね。
ただほんの少額を積み立て続けても、資産と呼べるほどの金額に育たないので、最初は少額で始めたとしても手取り収入の20%程度を投資することを目標にしましょう。
④窓口販売では相手が売りたいものを売ってくる可能性がある
立派なビルで笑顔で親切に対応してくれる窓口の担当者さん。
「おすすめしてもらった商品だからこれで安心」
本当にそうでしょうか。
彼等、彼女等は販売のプロであって、投資のプロではありません。
投資のプロなら少なくとも窓口で働いていることはないでしょう。
窓口販売員は会社の方針にそってお客さんにアドバイスをしています。
会社は利益を上げなければなりません。
会社が儲からない商品よりも儲かる商品を売りたいでしょう。
「投資のことがよくわからない」
というお客さんに、親切にアドバイスしているようで手数料の高い商品を販売している可能性があります。
もちろん悪意がなく、本当にお客さんのためになると思っておすすめしていることもあるでしょう。
将来値上がりする商品、値下がりする商品は誰にもわからないので、意図的に値下がりする商品を売りつけられる心配はありません。
それにつみたてNISAであれば、上述したように金融庁が定める厳しい条件をクリアした長期投資に向いている商品です。
とんでもない商品を買わされる心配は少ないです。
ただ長期で資産形成するには不向きな商品はたくさんあります。
つみたてNISAでの投資信託の販売は金融機関にとってほとんど儲けがないので
「資産形成でしたらこちらがオススメですよ』
と手数料が高すぎる商品を買わされる可能性もあります。
本当にお客さんのことを思ってアドバイスをしてくれてるかどうかは、慎重に見極める必要があります。
ちなみにつみたてNISAを利用した投資であれば、どの銀行や証券会社でも手数料は同じです。
まとめ
つみたてNISAはネット証券で口座開設がオススメです。
銀行窓口であれば対面で相談できるメリットがありますが、投資に対して無知なまま行くのはおすすめできません。
ネット証券の利用はスマホを普通に使っているなら難しくありません。
ネット証券大手の楽天証券やSBI証券で口座開設がオススメです。
利用者も多くネットでの情報収集も容易です。
給与が振り込まれる銀行口座から自動積立されるようにしてしまえば、あとは基本的にほったらかしでも大丈夫です。