個人事業主にとってiDeCoが最強の節税になる理由
20年ぶりの円安水準の何がヤバいのか
2022年4月19日、為替相場が1ドル=129円を突破しました。
これは約20年ぶりのことです。
コロナの収束もウクライナ情勢もまだ先が見えないなか、急激な円安となりました。
このことが私たちの生活にどのような影響をあたえるのでしょうか。
そんなわけで今回のテーマは
「円安と物価上昇で貧困層が急増する?日本は先進国を脱落して衰退途上国になっている?」
です。
このコラムを読めば、急激な円安によって日本人の生活がどうなっていくか、どう対応すべきかがわかります。
円安って悪いこと?
「輸入品や海外旅行が高くなるくらいじゃないの?」
わかりやすいのはそのあたりですね。
輸入品と一言で言っても、高級ブランドや輸入車などだけではありません。
日本は原料などの資源、食料の多くを輸入しています。
ウクライナ情勢の影響ですでに原油高の中、さらなる価格上昇の可能性もあります。
原油価格が上昇すると、物流コストが上昇し身近なものも価格が上昇し始めます。
日本の消費者は値上げに敏感です。
食品や飲食店はなかなか価格を上げにくく、コストを下げる努力をします。
そんな状況では従業員の給料をとても上げられません。
限界が来ると値上げせざるを得なくなりますが、多くの人が給料は増えないのにモノの値段がどんどんあがっていく状態になります。
これは想像の話ではなく、すでに始まっています。
緩やかな物価上昇と収入上昇であればいいのですが、まだまだ給料を増やす企業はわずかでしょう。
もっとも心配されるのはデフレよりも怖いスタグフレーションです。
景気が悪い中、物価上昇する状態です。
日本でスタグフレーションが起こる?コロナで拡大する格差
こうなってしまうと日本人でも多くが貧困層になってしまう可能性があります。
円安で日本人には海外のものが高額に、海外の人には日本激安
「為替とか円安とかよくわからない」
という方もいるので簡単に説明します。
「円安」という言葉の通り、円の価値が下落する状態です。
例えば1年前の為替相場が1ドル=100円だったとします。
1ドルでリンゴ1つ買うことができたとしましょう。
そして1年後、為替相場が1ドル=129円になるとどうなるか。
以前と同じリンゴを1ドルで買うことができますが、以前は100円だったのに129円必要になります。
100万ドルの住宅が以前は1億円で買えていたのに、1億29000万円支払わなければならなくなるのです。
円安になることによって原油などの資源や食料を多く輸入する日本は物価上昇することになります。
「でも円安は輸出で日本に有利なんでしょ?」
残念ながらこれはもう過去の話です。
ものづくり大国ニッポンと呼ばれていた頃は、どんどん製品を輸出していました。
円安になると、海外の人にとっては同じ商品が以前より安くなるのです。
品質が良くて価格が安い、輸出産業には追い風です。
現在は日本は輸出大国とは言えません。
家電製品は韓国、中国の製品にことごとく負けています。
自動車産業がまだ健闘していますが、多くは海外で生産されるようになっています。
日本で暮らしているとわからないのですが、給料は先進国最低レベルまで落ち、東南アジア諸国に猛追されています。
ですからコロナが落ち着いた頃には、円安の影響もあって海外から大勢の観光客が押し寄せます。
「日本は安いね」
と言って、海外の中流層でも高級ホテルに宿泊しショッピングで爆買します。
それを横目に多くの日本人は懸命に働けど給料はほとんど増えない。
これはほぼ確定シナリオです。
ここ数年で海外の物価上昇は日本よりも顕著で、もし海外旅行に行くと円安の影響も合わせて驚くほど高く感じることになるでしょう。
ひろゆきさんがツイッターで
「円安の結果、フランスのマクドナルドでセットを頼むと14.7ユーロなので、約2010円」
と言っていたのを見ればわかりますよね。
将来は日本人で海外旅行に行くのはごく一部の裕福な人になってしまうかもしれません。
円安時代をどう生きていくか
ここまでけっこう暗いシナリオを書いてきたので、今後私たちはどう生きていくか考えてみます。
いろいろな考え方はありますが重要な点は3つです。
- 日本で質素に暮らす
- ビジネスチャンスと捉える
- 外国資産の比率を増やす
日本で収入内で質素に暮らす
物価上昇する中、給料が増えない。
でもこれ以上頑張って働くのもしんどい。
そんなあなたは田舎で質素に暮らすのも一つの手段です。
田舎に移住して、家庭菜園をして、最新家電などなくてもいい。
自治体によってはタダで家がもらえたり、支援制度があったりします。
生活水準を落とすことは簡単ではありません。
でも
「自然に囲まれてストレスなく暮らしたい」
と考える人には考えてみる価値があるかもしれません。
贅沢をすることが幸せとは限りませんからね。
ビジネスチャンスと捉える
ピンチはチャンスです。
円安だって考え方によってはチャンスになるはずです。
上述したように、コロナが落ち着けば多くの外国人観光客が押し寄せるはずです。
コロナ前にも盛り上がっていましたが、コロナで撤退してしまった企業や店舗も多いはずです。
外国人観光客向けのビジネスを準備しておくのはどうでしょうか。
あとは輸出ビジネスです。
海外の人にとっては円安によって、以前よりも割安に感じるわけです。
日本の文化に興味を持ってる人は意外と多いです。
パッと思い浮かぶものは
- 日本酒
- 盆栽
- 着物
- アニメ・ゲーム
こういうもので自分が大好きならそれを輸出するのはどうでしょう。
と言っても食品や植物は簡単に輸出はできません。
それなりに勉強と準備が必要です。
できるだけ簡単にやりたいなら、手数料は取られますがAmazonなどを利用して出品する手があります。
コストはかかっても作業量を大幅に減らすことができます。
外国資産の比率を増やす
「あなたの資産のうち日本円の比率はどのくらいですか?」
と聞くと、多くの人が100%と答えます。
「日本の未来は明るいと思いますか?」
と聞くと大半の人が「いいえ」と答えます。
この矛盾に気づくべきです。
この1年間で20%円安ドル高になったとすると、あなたの資産はドルに対して20%目減りしたことになります。
例えば1年前が1ドル=100円、1年後が1ドル=120円
1億円は1年後も1億円です。
しかしドル換算すると1年前は100万ドルだったのに、1年後には833,333ドルになります。
(100万ドルー833,333ドル=166,667ドル
166,667ドル×120円=2千万円)
逆に円高になればいいのですが、それは日本1点張りのギャンブルだと思いませんか?
しかも「日本の未来は明るい」と思えていないのに。
ですから資産の一部は外国資産で持っておき、リスク分散します。
ここまで言うと外貨預金を思い浮かべる人も多いのですが、私はあまりオススメしません。
通貨そのものは価値を生み出さないからです。
もし外貨預金をするなら店舗のある銀行は手数料が高いので、ネット銀行を利用するか、FXでレバレッジ無しでコストを抑えるのがオススメです。
外国資産を保有するのにオススメしたいのは、外国株式に投資するインデックスファンドです。
米国株式や先進国株式、全世界株式などに投資します。
円が強い(円高の)ときに買うことができれば一番いいのですが、タイミングを図っていては始めることができません。
ですから収入の一部を積立投資するのがオススメです。
株価は金利や為替の影響もあって短期間では大きく上下します。
しかし長期的みれば今後も世界経済はゆっくりと成長を続けるはずです。
まとめ
コロナもウクライナ情勢も為替もどうなるかまだまだわかりません。
そして残念ながら日本の未来は明るいとは言い切れません。
そういう点からも日本に住んで円資産しか持たないことはリスクが大きすぎます。
なんらかの備えは自分でしておくべきです。
私も日本に生まれ日本で育ったので、なんとか復活してほしい思いがあります。
そのために日本家計の金融資産は2000兆円を超えていて、その多くが眠ったままです。
そのごく一部でも投資に回れば世の中が変わり始めるはずです。
ですから私はFPとして、自分のためだけではなく世の中のために投資をする日本人が増えるよう支援していきます。
あなたがまず簡単にできるのは、手取り収入の一部を外国株式に投資するインデックスファンドで積立投資することです。
少額からでもとにかく一歩前に進み、学びながら進んでいきましょう。