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経営体が患う5大疾病の1つ目(分散症候群)という疾病の正体は・・・(その1)

2018年9月12日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

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『経営体が患う5大疾病の1つ目【分散症候群】という疾病の
 正体は…(その1)』
…長時間労働や生産性・収益性の低さの主たる原因です。
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貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。

■病名1:【分散症候群】という病は…

経営体(そもそも世の中)の諸々はすべて、時間の経過ととも
に複雑な方向に、増える方向に動きます。世の中のベクトルは
複雑化・増加であって、単純化・減少ではありません。従って、
自然に物が増え、書類が増え、手続きが複雑になり…高コスト
になります。品揃えが増え、在庫が増え…総花的になります。
弱くなります。人は仕事が増え(自らが増やし)…多忙になり
ます。故に、強烈に意識しない限り、時間が経過するごとに会
社はややこしくなります。弱くなります。長時間労働や生産性・
収益性の低さの主たる原因の一つはこれだと思っています。

■この様に、複雑化・増加のベクトルに巻き込まれ、対応でき
ていないがゆえに生産性・収益性の低さを招いている状況の経
営体を【分散症候群】と呼びます。

【分散症候群】の経営体には、以下のような症状が現れます。
1.社内の動きが遅く(悪く)なる。
2.オペレーションのミスが多くなる。
3.経営コストが割高になる。
4.商品、サービスが総花的で特徴がない。
5.頑張っているのに儲からない。
6.新しい商品、サービスを創造できない。

いかがでしょうか?

■【分散症候群】という疾病を整理します。

○商品やサービスの幅を広げ過ぎて、マーケティングが曖昧に
なる病です。誰に・何を売るかがぼやけてしまっています。

○原因
商品の品揃えやサービスの幅を持たないと売れないとの思い込
みが原因です。企業は何もないところから始まります。このス
テージでは品揃えの強化や幅が必要です。しかし、一定のレベ
ルを越えたあたりから、商品の品揃え、サービスの幅、事業領
域を絞りながら成長を遂げるべきです。拡大は面を広げること
ではなく、面を狭めて深堀することです。このあたりが誤解さ
れています。だからこの病気が蔓延するのでしょう。

○症状
経営資源が分散され、社内のありとあらゆるものが複雑になる
ため、動きが悪くなります。対応が遅くなり、ミスが多発し、
全体にコスト高になります。各商品やサービスの磨きこみも十
分でなく、総花的な品揃え、サービスを提供しており、これと
いった強みもありません。

■【分散症候群】への対応は…止めて・減らして・集中して・
尖ることです。これを『単純化(Simple化)』と定義します。

○対策は…すべてを単純化(Simple化)することです。
1.減らすことです。絞り込むことです。
2.自社の強み(ツキ)を探して特化することです。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。

◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体
     を維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。

…次回号につづきます。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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