より付加価値の高い仕事にシフトするとは、どのような仕事? 生成AIの活用と生産性向上(その4)

濱田金男

濱田金男

テーマ:生成AIによる業務効率化

AIの補助を受けながら、より付加価値の高い仕事にシフトするとは具体的にどのよう
な仕事をすれば良いのかを解説します。

AIの補助を受けながら、より付加価値の高い仕事にシフトするには、AIや自動化技術
では代替しにくい「人間ならではのスキル」や「創造性」が求められる分野に注目
することが重要です。具体的には、以下のような仕事や役割が考えられます。

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   (生成AIで業務を飛躍的に効率化するための4つのステップとは?)

1. クリエイティブな仕事
AIは基本的なデザインや文章生成はできても、独創的で新しいアイデアを生み出す
ことはまだ困難です。以下の分野でのクリエイティブな能力が重要です。
(1)デザインやアート
グラフィックデザイナーやアートディレクターは、AIが生成した素材を使いながらも
独自の視点や美的感覚でクリエイティブな表現を作り出すことが求められます。

(2)コンテンツ制作
映像、音楽、文章などのコンテンツクリエーターは、AIの補助を受けつつも、人間の
感情や文化的背景を理解した表現力が不可欠です。

2. AIやテクノロジーの導入・管理
AIを活用するための専門知識を持ち、その技術を企業の業務や戦略に組み込むスキル
が必要です。
(1)AI開発・運用
データサイエンティストや機械学習エンジニアとして、AIのアルゴリズム開発やその
チューニング、導入プロセスを管理する役割は、AI時代にさらに需要が増す職種です。

(2)プロジェクトマネジメント
AIを導入するためのプロジェクトを推進し、技術とビジネスの橋渡しをする役割も重要
です。AIを活用して業務改善を図るプロジェクトマネージャーは、AI技術と業務知識の
両方を理解する必要があります。

3. 人間の感情や創造力を必要とする職業
AIが苦手とする、感情の理解や複雑な人間関係の調整が必要な分野は、今後も人間の
強みが発揮される分野です。
(1)リーダーシップや経営
戦略的な意思決定や組織運営には、人間の経験や直感が重要です。リーダーとしての
判断力、チームビルディング、交渉力などはAIには代替できません。

(2)カウンセリングや教育
心理カウンセラー、教師など、相手の感情や成長を促す職種では、人間の感情理解や
共感が求められます。AIは補助ツールにはなっても、根本的なコミュニケーションは
人間が行うべきです。

4. 複雑な問題解決やイノベーション
AIは過去のデータを基に予測や分析を行う一方で、未知の問題に対する柔軟な発想や
新しい発見には限界があります。
(1)コンサルティング
AIが提供するデータ分析を基に、複雑なビジネス課題に対するソリューションを提案
したり、業務改革を支援するコンサルタントの役割は、データの解釈や人間との対話
を通じた解決策提案が重要です。

(2)研究開発
新しい技術や製品を開発するR&Dの分野では、創造的なアイデアや新しい方法論を探る
必要があり、AIは支援ツールに過ぎません。新技術や製品の企画・開発は引き続き人間
の役割です。

5. 顧客体験や人間関係に基づく仕事
AIでは難しい、人間同士のコミュニケーションや関係構築において強みを発揮する仕事も
付加価値が高いとされています。
(1)営業や顧客対応
営業担当者やカスタマーサクセスの役割では、AIが生成するデータを使って最適な提案
をする一方で、顧客のニーズを理解し、信頼関係を構築する能力が必要です。

(2)イベント企画・運営
人間の感性や文化的な要素を取り入れ、イベントやプロジェクトを成功させるための企画
・運営は、人間の創造力や対話が欠かせません。

6. 倫理や規制の管理
AIやテクノロジーの進展に伴って、これらの技術を適切に運用し、社会に悪影響を与え
ないようにするための倫理や規制の管理が必要です。
(1)AI倫理や法務
AI技術の利用における倫理的な問題やプライバシー保護、法的規制に対処する役割は、
今後ますます重要です。AIによるバイアスやプライバシー問題を管理・解決する専門家は
技術と倫理の両面を理解する必要があります。

まとめ
AIの補助を受けて付加価値の高い仕事にシフトするためには、AIが補完する部分を活かし
つつ、「創造力」「問題解決能力」「コミュニケーション能力」「感情の理解」など、
人間にしかできない役割を担うことが重要です。技術の進化に合わせてスキルをアップ
デートし、AIと協働することが、今後のキャリアで成功するための鍵となります。

では、最後に、企業は長く続いた生産性の停滞を打破するためには何をすれば良いのか
を、次回のコラムで考えてみます。
 ★その5(最終回)へつづく

生成AIの活用と生産性向上シリーズ
 その1:業務のコンピュータ化により生産性向上が見られなかった理由とは
 その2:企業の生成AI導入による生産性向上への期待と課題とは?
 その3:生成AIの普及によって、ホワイトカラーの仕事が減る?
 その4:より付加価値の高い仕事にシフトするとは、どのような仕事?
 その5:生産性の停滞を打破するためには、企業は何をすれば良いか?

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Mybestpro Members

濱田金男
専門家

濱田金男(製造業技術支援サービス)

合同会社高崎ものづくり技術研究所

大手電機メーカーで設計、製造、品質管理に長く携わり、中国工場立ち上げ、韓国での生産ライン効率化など海外支援実績も多数。新しい時代を見据えた工場改革、付加価値向上と人材育成で、ものづくりの現場をサポート

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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