「QAネットワーク」と過去トラブル情報の「知識(ナレッジ)化」とは
多品種少量生産工場において各部品や製品ごとに作業手順書を作成することは膨大な
手間と時間を要する。そのため、各部品加工、組立作業に共通な作業をピックアップ
し標準作業手順書を作成する方法が有効と考えられます。
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例えば、組立作業であればネジ締め、ボルトナット締め、部品の組付け、溶接など、
また部品加工の場合は、旋盤加工、フライス加工、プレス加工、穴あけ加工など、
どのような部品でも共通な作業を標準作業とし、作業手順書を作成する。その作業
手順書にしたがって訓練し、一定レベルに達した作業者を作業に就かせる、という
ようにPDCAを回しながら運用することが有効と考えられます。
1.標準作業手順書の作成のメリット
作業の効率化: 同じような作業を何度も手順書から作り直す必要がなくなるため、
作業の効率化が図れます。
①品質の安定化
標準作業手順書に基づいて作業を行うことで、品質のバラつきを減らし、安定した
品質の製品を製造できます。
②人材育成の効率化
新人や経験の浅い作業員でも、標準作業手順書を参考に作業を行うことで、短期間
で一定レベルのスキルを習得できます。
③作業時間の短縮
作業手順が明確になることで、迷いがなくなり、作業時間が短縮されます。
2.標準作業手順書の作成方法
①共通作業の抽出
各工程(組立、加工など)で共通して行われる作業を洗い出します。
例えば、組立工程であればネジ締め、ボルトナット締め、部品の組付けなどが挙げ
られます。
加工工程であれば、旋盤加工、フライス加工、プレス加工などが挙げられます。
②標準作業手順書の作成
抽出した共通作業ごとに、詳細な作業手順、必要な工具、注意点などを記載した
標準作業手順書を作成します。
図や写真などを活用し、視覚的に分かりやすくするのも効果的です。
③作業者の訓練
作成した標準作業手順書に基づいて、作業者に教育を行います。
OJT(On-the-Job Training)やシミュレーションなどを活用し、実技で習得できる
ようにします。
④評価と改善
作業者の作業状況を評価し、標準作業手順書に不足な点や改善点がないかを確認し
ます。必要に応じて、標準作業手順書を改訂します。
3.PDCAサイクルによる運用
標準作業手順書は、一度作成すれば終わりではなく、PDCAサイクルを回しながら継続
的に改善していくことが重要です。
Plan(計画): 標準作業手順書の作成、教育計画の策定
Do(実行): 標準作業手順書に基づいた作業の実施、教育の実施
Check(評価): 作業状況の評価、標準作業手順書の有効性の確認
Act(改善): 問題点の改善、標準作業手順書の改訂
まとめ
多品種少量生産において、標準作業手順書を作成し、PDCAサイクルを回すことで、
以下のような効果が期待できます。
生産性の向上: 作業の効率化、作業時間の短縮
品質の安定化: 品質のバラつきを減らし、顧客満足度向上
人材育成の効率化: 新人育成の期間短縮、人材の育成コスト削減
作業環境の改善: 作業の標準化による安全性の向上
標準作業手順書は、多品種少量生産の現場において、非常に有効なツールです。ぜひ
自社の状況に合わせて、標準作業手順書を作成し、活用してみてください。
ポイント
①現場の意見を反映: 標準作業手順書を作成する際には、必ず現場の作業者の意見
を聞き、実態に合った内容にすることが重要です。
②柔軟性: 標準作業手順書は、あくまでも一つの目安です。製品や状況に応じて、
適宜変更できるように柔軟性を持たせることが大切です。
③継続的な改善: PDCAサイクルを回しながら、常に改善していく姿勢が求められます。
補足
標準作業手順書の作成ツール: Excel、Word、専用のソフトウェアなど、様々なツール
を活用できます。
視覚化: 図や写真、動画などを活用することで、より分かりやすく、覚えやすい標準作
業手順書を作成できます。
多言語化: 外国人労働者がいる場合は、多言語に対応した標準作業手順書を作成する必
要があります。
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