4M管理のおはなし:「4M管理のしくみを体系化」するとは、いったいどのような意味?
作業手順書は、作って終わりではなく、それを新鮮な形に保つ、守らせるなど、形骸化
を防ぐことが重要です。しかしどうしても守られない、知らない、手抜きなどの形骸化
が発生します。
そこで、形骸化の根本原因を探り、そのうえで管理者の役割について考えてみたいと
思います。
作業手順書は、業務の効率化や品質向上に不可欠なツールですが、作成しただけでは
十分ではありません。せっかく作成した手順書が守られず、形骸化してしまうケースも
多く見られます。
1.形骸化の根本原因
作業手順書の形骸化には、主に以下の4つの根本原因が考えられます。
(1)作成プロセスへの問題
・現場の意見が十分に反映されていない
・わかりにくい内容や過剰な記述がある
・最新の情報に更新されていない
・運用体制の問題
(2)周知・徹底が不十分
・必要な教育・訓練が実施されていない
・マニュアル改訂の仕組みが確立していない
・現場環境の問題
(3)作業負担が大きい
・時間的な制約がある
・マニュアルを参照する環境が整っていない
・マネジメントの問題
(4)マニュアル遵守の重要性が認識されていない
・違反に対するチェックや指導が徹底されていない
・改善提案の仕組みが機能していない
・管理者の対応策
2.形骸化を防ぐ方策
形骸化を防ぐためには、根本原因を分析した上で、以下の4つの観点から対応策を
講じることが重要です。
(1)作成プロセスを見直す
・現場の意見を積極的に収集し、反映する
・わかりやすく簡潔な文章で記述する
・定期的に見直しを行い、最新の情報に更新する
(2)運用体制を整備する
・マニュアルの周知徹底を徹底する
・必要に応じて教育・訓練を実施する
・マニュアル改訂の仕組みを確立し、定期的に改訂を行う
(3)現場環境を改善する
・作業負担を軽減する
・作業時間を確保する
・マニュアルを参照しやすい環境を整える
(4)マネジメントを強化する
・マニュアル遵守の重要性を繰り返し伝える
・違反者に対しては適切な指導を行う
・改善提案制度を導入し、現場からの意見を積極的に取り入れる
(5)その他
上記以外にも、以下のような工夫も有効です。
・デジタルツールを活用したマニュアル管理
・ロールプレイングやシミュレーション研修の実施
・インセンティブ制度の導入
・外部コンサルタントの活用
形骸化を防ぐためには、関係者全員が一体となって取り組むことが重要です。管理者は
率先して取り組み、現場の声に耳を傾けながら、継続的な改善を図ることが求められます。