海外工場 委託生産契約の注意点(EMS/OEM/技術提携)と取引基本契約書ひな形/協力工場品質管理ツール
小規模企業、中小企業にとっても、経営計画書(経営方針書)の作成は重要な
ことです。決して大企業だけのものではありません。
経営計画書とは、企業の事業内容や経営状況を振り返り、将来の事業目標の達成
のため、経営資源(従業員、資金、情報、資産)をどう活用するかをとりまとめた
もので、ビジョンと経営理念を実現するための道具です。
「業務改善のPDCAが回らない」「社員のやる気がない」と嘆く前に、社長自ら
が、経営計画書を作成して、社員に示し会社の方向性を明確に示す必要があります。
経営計画書に従って、社員は業務計画を作成し業務改善のPDCAを回す仕組みを作っ
て、運用することで、社員のレベルアップが図られ、教育効果は絶大です。
1.経営計画書作成の目的
ただ日々の仕事に追われ、なりゆきにまかせて事業を営んでいては、厳しい環境下で
成果を生みだしていくことはできません。 企業が成長するには、自社の達成すべき
目標を設定し、その実現のためにどのような対策をとるかを総合的、全社的に考えて
いかなければなりません。
そのような目標を具体化し、計画に落とし込んでいくことが「経営計画」を立てる
本来の目的と言えます。
そのとき、将来の目標と現状を比較してそのギャップを導き出すことで、現在抱え
ている問題点や課題が明らかになってきます。つまり計画を策定することにより、
現状の問題点を浮き彫りにし、解決策を見出すことが可能になります。
経営計画書を基に、全社員が参加して自部門の計画、個人の計画を策定することに
より経営幹部をはじめとして社員の一人ひとりが自社における自分の役割を十分
に認識でき目標達成に向けて各人が自ら行動するようになり、これが組織の活性化
につながろことが期待できます。
また、達成までのステップを明らかにすることにより、各時点での進捗度合いを
把握することができ、それを定期的に評価することによって社員のやる気を喚起し
PDCAも回るようになります。
2.経営計画策定のステップ
経営計画は3~5年先を見越して作成します。
近年では経営環境の変化が激しく、3年先はどうなるかわからないという面もあり
ますが、この計画は毎年見直して修正を加え、さらに1年分追加してつねに3~5
年先の計画が立てられている状態にします。
年度計画は中期計画の初年度計画に該当するもので、中期の方向性を見据えた内容
でさらに具体的推進策を盛り込むことになります。
経営計画作成のステップはおおむね以下の通りです。
1:経営理念、経営方針の明確化
2:経営力の分析(経営資源、自社の強み、弱みの分析)
3:環境変化の予測(自社を取り巻く競合、市場動向)
4:中長期目標の設定(3~5年後のあるべき姿を描く)
5:次年度計画の策定(売上目標、人・組織、設備の計画、改善計画)
6:次年度部門計画の立案(部門責任者が中心になり作成)
7:全体計画と部門計画の調整
8:計画書の作成と発表会の準備
9:計画の発表
3.業務計画の進め方
業務計画を立てたら、その内容に沿って、計画を実行に移さなければ意味がありま
せん。そのためには
・全員参加で経営計画を立てること
・前年度の反省を生かして計画を立てること
・全体計画に基づく実行目標を具体的に掲げること
・計画は月別に立て、具体的にイメージしやすいものにすること
・利益計画と資金計画が連動していること
・計画の遂行に対する責任・権限体制を明確にすること
・計画達成の評価が正しく行なえるよう体制を整えること
経営計画は、その年、その年で終わるものではなく、前年度、今年、次年度と継続し
企業の成長を図って行くものです。
秘伝のスープのように、継ぎ足し継ぎ足し受け継がれ、独自の味を作り上げていく
ことで、お客様からの魅力をひきつけることができるのです。