『まだ必要ない』が、『こうやって使う』に変わるまで。
定期的にお掃除に伺っている高齢のお客様。
先日、ご家族が旅行に出かけられる間、いつものお掃除とは別に、日常生活のお手伝いに何度か伺いました。
旅行前には、食事や薬のことなど、ご家族がいろいろと準備されていました。
ところが、実際に伺ってみると、準備してあっても、ご本人には難しいことがありました。
例えば、食事の温め方。
冷蔵庫に入っているお弁当は、ご自身で電子レンジを使って温められます。
でも、冷凍庫から出して温めることは難しかったのです。
ご家族が帰宅された後、そのときの様子をお伝えしました。
すると、普段は食べられる状態まで準備されたものを食べているので、いつもと手順が違うと難しいのですね、と納得されていました。
普段はご家族が食事を準備されています。
だからこそ、いつもと違う手順が必要になることは、実際にやってみなければわからなかったのだと思います。
私自身も、今回のことで気づいたことがたくさんありました。
そして、ご家族が帰宅される日のこと。
「今日、帰ってきますよ」
そうお伝えすると、お客様は本当に嬉しそうなお顔をされました。
後日、ご家族からも、帰宅したときには満面の笑顔で迎えてくれたと伺いました。
ご家族とお話しする中で、私はこんなことをお伝えしました。
「時には、親のことを忘れて、お出かけになってください。できる限りサポートしますから」
もちろん、何でもできるわけではありません。
ご本人の状態や必要な支援を確認し、できること、できないことをご家族と相談する必要があります。
ケアマネジャーさんやヘルパーさんとの連携も欠かせません。
また、年齢を重ねるにつれて、今できていることが難しくなる可能性もあります。
今回と同じ方法が、次回も通用するとは限りません。
だからこそ、その都度、状況に合わせて考えていきたいと思っています。
高齢の親を持つ子どもにとって、親のことを心配するのは当たり前かもしれません。
でも、いつも気にかけて、何かあれば自分が対応しなければならない。
そんな状態が続けば、自分の時間を心から楽しむことも難しくなります。
親を大切にすることと、自分の時間を大切にすることは、どちらか一つを選ぶ話ではないと思うのです。
親の暮らしを支える人が増えれば、子どもも少し安心して出かけられる。
今回の経験を、次の支援に生かしていきたいと思います。
時には、親のことを忘れて、旅行を楽しんでほしい。
そのために、私にできることを考え、関係する皆さんと力を合わせていきたいと思っています。


