舞い込む仕事
日頃から子どものため、パートナーのため、いろいろ尽くしているにも関わらず、「ありがとう」の一言もなく、当たり前のように過ごしている姿をみると、腹が立つと感じている人は多いと思います。
自分がしていることに対して、誰もが、認めてほしいと思っています。
マズローの5段階欲求説にも、第4段階に承認欲求があります。
(マズローは、人間の欲求には「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「自己承認欲求」「自己実現欲求」という階層があり、低次元の基本的な欲求が満たされることで、次の欲求が行動を支配するという欲求5段階説を提唱しました。)
家族の一員として愛され、存在している(社会的欲求(第3段階)が満たされている)私が、家族にためにしていることだから、当然認められるべきだ(承認欲求)と考えるのも当然です。
これが満たされていないと、
「愛されていないのではないか。」
「私は、ここにいる価値はないのではないか。」
「家族のためにする事がバカらしくなる。」
などと、第4段階の前にある第3段階を否定する事になってしまいます。
これが、トラブルに発展する事があります。
ーある会話ー
A「やってあげたのに何で『ありがとう』の一言が言えないんだ。」
B「何言っているの。私だってあなたのためにやってあげているじゃないの。あなたこそ『ありがとう』を言っていないじゃない。」
お互いに『ありがとう』と言ってほしいと思っているにも関わらず、言えないばかりに、相手の至らない点を指摘してしまいます。
すると、スイッチが入ったように脳は、至らない点をどんどん集め始め、次第に相手を「至らない人」にしてしまいます。
こうなると互いが「至らない人同士」になり、
A(B)「もう一緒に住めない。離婚だ。」と口から思わず出てしまう事があります。
些細な事が、日頃抱えている不満と共に、一気に爆発して、最悪の結果になる事があります。
マズローの第3段階(社会的欲求)が満たされているから、承認欲求が生まれると考えると、第3段階が満たされている実感があれば、少なくとも離婚を口にする事はないと思います。
それでは、第3段階を満たす言葉は、何か?
社会的欲求は、「愛と所属の欲求」とも言われます。
「愛しているよ。」
「好きだよ。」
「一緒にいたい。」
「あなたといると幸せだ。」
この言葉を多用することで、とりあえず、第3段階が満たされる事になります。
結婚する前には、満たされていなかったために多用していたにも関わらず、結婚し満たされていると、あたり前となり、言わなくなってしまう事が多いように思います。
「ありがとう。」の前に「愛しているよ。「一緒にいられて幸せだよ。」の言葉かけが必要かと思います。
特に子どもについてですが、子どもが自分で親子関係を作ったわけではないので、親からこの言葉がけを多くすることになります。この言葉かけは、子どもの心が不安定にならないための手立てにもなります。
当然、夫婦の間でも必要です。
お互いで言い合う事ができないかもしれませんが、どちらか一方が、言い続けることで、家族関係が保たれます。
家庭を守るためにも
「愛しているよ。」「一緒にいられて幸せだよ。」「ありがとう。」
を自ら伝えてたいと思います。