磨き続ける
子どもの自立を願って、できないところを少しでもできるようにしようと、努力されているお母さんからの相談を受けました。
私たちは、できるようにならないと将来が心配だから、できるようになるために必要な技を一つ一つ丁寧に教えています。
例えば、登校1つについて考えると、
・起床
・着替え
・食事
・歯磨き
・物の準備・点検(忘れ物をしないため)
これらを一つ一つ教え、一人でできるようになるまで支援をします。
朝の短い時間の中でできるようにしようとするため、
「◯◯の時間だよ。」「早く、早く。」
と、声をかける事が日常的になっている人をよく見かけます。
自立を目指すために声をかけるはずが、この言葉かけは、自立を促す事に役立たず、指示待ちの子どもにしてしまいます。
つまり、「お母さんが言うから、動いた。」になってしまいます。
「時間がないから急がなければ。」と考えるのは、お母さんではなく、子ども自身でなければなりません。それを実感しなければ、子ども自ら急ごうとはしません。
お母さんが言われた通りに動けば、遅刻せずに登校できるのですから、小言を言われた方が、子どもにとっては、好都合になります。
「言わないと動かないから、仕方がない」
と言われるかもしれませんが、全く反対で、
「言うから自ら動けない。」のです。
この背景には、「失敗させたくない。」「失敗したら可哀想。」「失敗したら、負担が増える。」などと失敗を「負」と考える親の思いが見え隠れしています。
これでは、自ら考えて判断することができず、自立の支援にはなりません。
自立を支える親としての軸が揺らいでいます。
これは、子どもの痛みを自分の痛みのように感じてしまう子どもと同一化している親の姿勢が、原因です。
自分と子どもとを切り離し、あたかも他人のように離れてみる事ができれば、自立を支える自分軸が揺らぐことはありません。
言い換えると、子離れができない親が、子どもの自立を妨げている事になります。
相談を受けたお母さんには、自分軸をはっきりさせるワークをしていただきました。