話し合いが長くなるのはなぜ?
「男は敷居を跨げば七人の敵あり」ということわざがあります。
これは、男が社会で活動するときは、いつも多くの競争相手や敵がいて、いろいろと苦労があるというたとえです。
社会人になった頃に聞いたことわざですが、今程、実感する事はありません。
社会の変化と共に、社会が複雑になり、その変化も急速で、何か動こうとすると、必ず壁が現れます。
これは年齢にも、職業にも、性別にも、環境にも関係ありません。
関係がないというよりも、年齢、職業、性別、環境のそれぞれに合った壁が現れると考えた方が良いかもしれません。
もっと深く考えると、今の自分に合った壁が現れると言った方がよいかもしれません。
壁を壁と考えるのは、自分です。そして、それも大きな壁と捉えるか、それとも小さな壁と捉えるかも自分です。
このように考えると、自分次第でどのようにでも捉える事ができるのも壁だという事になります。
逃げようとしても必ず自分に合った壁ですから、まるで金魚のフンのように現れます。
壁=負と考えれば、その壁は負となり、厄介なものとなりますが、壁=機会と考えれば、立ち向かい方を考える事になります。
フンは、食べたものから必要なものを体に取り入れた残り物ですから、体内に残しておく事は体にとってよくない事です。必ず外に出さなければ
病気になってしまいます。
(フンを汚いものととらえるか、必要なものと捉えるかは、自分次第です。)
フンは当たり前のように外に出るものです。
壁もそれと同様に考える事ができます。
動けば必ず現れるのが壁です。
不意に現れると対応ができず戸惑う事になり、感情が湧き上がり、混乱を招き、刹那的に振る舞ってしまう事があります。
正に「男は敷居を跨げば七人の敵あり」ということわざ通りです。
必ず現れるものだと、構えていれば、
「やっぱり現れた。」
と、冷静に対応する事ができます。
また、壁は1つずつ順番に現れてくるとは限りません。一度に沢山の壁が現れる事もあります。
それにも対応を考える事になりますが、一度に沢山現れると、これまた、混乱して感情を高ぶらせてしまうため、冷静な判断がしにくくなります。
一度に沢山現れる事もあるとわかっていれば慌てる事なく対応する事ができます。
沢山現れた時は、一度に現れるという事は、何かより深いところに乗り越えるための気付かなかった壁があると考え、それは何かと見つめてみます。
共通点を探ったり、背景を観察したりしながら、自分の内側を眺めてみます。
すぐには思い浮かばない事もあり、とりあえず、緊急性の高い壁から取り除く事に心がけます。
一つの壁の解消に取り組んでいる最中に、気づかなかった深いところにある壁に気づく事もあります。
ですから、淡々とかべの解消をしながら、
「気づかな壁とは、一体何か。」
と自問自答します。
このように考えていると、慌てず、混乱して感情的にならず、冷静に、一つひとつの壁の解消に取り組むことができます。
常に冷静さを保つ事に心がけるだけでも、壁の大きさがちいさくなります。(感情が動いていると思った以上に壁が大きく見えます。)
壁が、自分を鍛えるよい機会と思えるようになれば、壁から逃げる事がもったいないと思うようにもなります。
もしかすると、金魚のフンが、汚いものから可愛いものに見えてくるかもしれません。
コラムを書く時に現れた壁を一つクリアする事ができました。
次の壁がもう目の前に現れています。
さて、始めるか。