命の尊さ
インフルエンザの感染により辛い日々を過ごしてきましたが、ようやく咳も止まり、普段の生活になり始めました。
食事も美味しく、思わず妻に
「いつも美味しい料理を作ってくれてありがとう。」
と伝えました。
喜んでくれるかと思いましたが、笑顔一つなく、淡々と食事をしているので、
「笑顔一つでも見せてくれると嬉しいんだけど・・・。」
と、言ってしまいました。
「感謝を伝える」・・・妻からいい人で見られたいから出た言葉ではなく、心から出た言葉なのに、何故こんな事を言ってしまったのだろうと後悔し、自分を見つめてみました。
妻は、割と自己肯定感が低く、ネガティブな思考が強い傾向があり、私とは、真逆の生き方をしています。
物事にとても慎重です。ですから、笑顔を見せる機会が少なく、私は、何とか笑顔を見たいと日頃から思っていました。
この思いが余分な一言になっていたように思います。
妻から私を眺めてみると、私のする事には不安で仕方がないのではないかと思いました。
妻の立場からみると、失敗したら大変だと思う事にでも、私はどんどん平気で行動します。失敗しないか心配で仕方がないのかもしれません。
例えば、マスク一つでも、コロナの影響も少なくなり、マスクを外して生活している私ですが、妻は常にマスクの着用に気を使い、声をかけてくれていました。
また、インフルエンザのワクチンを接種した事もあり、かなり慎重さに欠けていた私です。
高齢の父の介護のこともあり、妻は慎重でした。
危機意識の弱い私を支えていてくれていたのです。
きっと私が妻程の慎重さを持って事に当たる事ができれば、安心して、笑顔一つでも見せてくれるのではないかもしれません。
妻からすると、「ありがとう。」の一言もきっと余計かもしれません。
「感謝の気持ちがあるのならば、もっと私が安心できるような生活をしてよ。一人になったら何もできないでしょ。」
と言われそうな感じがしてきました。
妻の危機管理に関わる意識の高さが、今の私を支えてくれている事を考えると、妻の笑顔を奪っているのは、私かもしれないと思いました。
そして、長く結婚生活が続くのも、私の至らない点を補完してくれている妻の努力のおかげだと思うと、ますます頭が下がる思いになりました。
このように振り返ってみると、ポジティブ・ネガティブ、大胆・繊細、慎重・軽率、積極的・消極的、楽観的・悲観的、陽・陰など両面を持ち、補完しながら、生活し続けてきたように思います。
マッチングアプリなどで、似ているところを探して、結婚相手を探す人もいるようですが、私の結婚生活を振り返ってみると、真逆でありながら、対立することなく、補完し合う事ができれば、かなり充実した結婚生活が送れるのではないかと思いました。