いろいろな顔
子育ては、子どもが幾つになるまですることか、考えた事はあるでしょう?
参考になるのが、動物の世界です。
親鳥は、餌を自分で取って生きていけるまで丁寧に餌を与え、飛び方を教えます。自分から餌が取れるようになると、自ら親を離れて巣立っていきます。
この事から子育てを考えると、親から離れて社会の中で、自立して生きていけるようになるまでが子育てだとわかります。
そこで、子どもの育ち(自立)に合った支援が、重要になります。
娘の帰宅が遅くなり、帰宅するまで預かる事になりました。テレビを見て過ごす時間が長くなるので、心配していました。声をかけようと思っていましたが、何となくここは言わない方がよいと感じたので、ちょっと様子をみていました。
娘から入浴を済ませるように言われていたためか、「家でお風呂に入ってくるので、ついてきてほしい。」と声をかけてくれました。
娘の家の鍵を持ち、孫と一緒に家までついていきました。
すると孫が、
「入浴が済むまで、居間で待っていてほしい。」声をかけてくれました。
孫は、自分で入浴を済ませて出てきました。
「やっぱり、お母さんが帰ってくるまで、おじいちゃんちにいるわ。」
と話してくれました。
少し待って正解だったと、思いました。
こちらが声をかけ、こちらのペースで孫を動かしていた事が、多かったかもしれないと反省しました。
孫は、自ら入浴を選択し、一人で入浴をし、着替える生活が自分でできる事を見せてくれました。
ただ、一人で自宅で過ごす不安を抱える孫です。
ここは、安心して我が家で過ごすことが孫を支える事になると思いました。
口を出さず、少し待ってみる事も、子どもの自立の状態をつかむ上でとても重要だと思いました。
見守る中に、自立できていることと、自立できていないことを見極める事ができれば、何をすべきかが見えてきます。
家庭生活は子どものペースで動くわけではありません。また、親のペースだけで動くわけでもありません。
バランスをとりながら、少しずつ子どもが自分でできる事を増やし、社会に自ら飛び立つまで見守り続けなければなりません。
常にバランスを取る事に焦点を当てていると、子どもが育つに連れて、対応を変えることになります。見方を変えると親が育つ事になります。
バランス感覚を失って、自分のペースを通しているとかならず、子どもから反発を買う事になります。
この反発を受け入れるのもまた、自らのバランス感覚を鍛える上で役立ちます。
子どもが巣立つまでは、親の自分磨きが続きます。