目の前の出来事への向き合い方
最近、現実の世界の理解が、全く異なっていると感じる事が増えてきました。
例えば、
・危機が迫っているにも関わらず、全く危機感を感じていない人がいる。
・過去の歴史が今を築いているのに過去を見ずに今だけで判断する人がいる。
今を精一杯生きているから、今だけを見ていればそれだけで正しい判断ができるかといえば、それは違うように思います。
判断を下す時に、できる限り多くの情報があった方が、下した後に責任を取りやすくなります。
失敗から学べばよいと考えることもできますが、失敗したことで、責任が取れない状況が生まれた場合、取り返しがつきません。
特に、命に関わる事は、重要です。
自殺や殺人など人命に関する事件や事故などの出来事を見聞きすると、痛切にその重要性を感じます。
パトカーに追われた1台のバイクが道路を逆走し、バイクに乗っていた若い男女がトラックに跳ねられた
こんなニュースが飛び込んできました。
命の危険に迫られる前にもっと多くの情報を手に入れ、適切に判断していれば、このような状況にならなかったのではないかと思いました。
私は、子どもたちに「人間の脳」と「動物の脳」の2つの働きについて話をする事があります。
感情に流されやすいのは、動物の脳の働きによるもので、感情を抑えたり、コントロールしたり、感情を操る事ができるのが、人間の脳の働きによるものだと説明します。
感情が湧き上がると、その感情が鎮まるまで、その感情に合った行動を変える事は、なかなか難しいものです。
例えば、怒りの感情が湧き上がっていると、相手への言葉がキツくなったり、時には手が出たりします。
悲しみの感情が湧き上がっていると、泣いたり、涙を流したりします。
同様に、楽しい時には、楽しい言動を、苦しい時には、苦しい言動をとります。
感情が鎮まるまでは、その言動は、なかなか変えられません。ある程度感情が鎮まれば、別の言動にする事ができます。
ですので、感情が湧き上がる前に「人間の脳」を役立てることを勧めています。
怒りを感じる出来事でも、見方を変えると、怒りを抑える事ができます。
悲しい出来事でも、見方を変えると、悲しみを抑える事もできます。
それができるのが、人間の脳の働きになります。
情報量が少なければ、怒りは怒りとして感じることでも、情報量が多くなれば、選択肢が増えるために、怒りを抑えて、別の言動に置き換える事もできます。
例えば、この場合、
「誰でも怒るのだろうか。怒らない人は、いないのだろうか。」
「怒らない人は、何を考えているのだろうか。」
「もし、怒らないとすれば、どんな行動ができるのか。」
「もし、怒らないで、対応した時、相手は、どう感じるのだろうか。」
などと、脳に情報を多く取り入れ、思考を巡らして、イメージを豊かにすると、怒らずに、別の言動にする事ができます。
これが人間の脳の働きを使った事になります。
今の発言は、人間の脳を使った発言だろうか。
今の行動は、人間の脳を使った行動だろうか。
と、自問自答する事で、少しずつ自分らしく責任を果たす言動ができる場面が増えていきます。
日々の出来事は、「人間の脳」を使う訓練になります。
出来事にすぐ反応してしまうのは、「動物の脳」の働きです。反応ではなく、情報を収集し、選択肢を増やした上で、適切に対応するのが、「人間の脳」の働きになります。
自分らしく生きるためにも、この「人間の脳」を使って言動に責任を取りたいと思います。