視点を広げる
夏休みも半ばを過ぎ、どの子も夏休みに合った生活のリズムが身についているように思います。
意図的に学校に通っていた時と変えた生活時間(昼食の時間、勉強時間など)と知らぬ間に変わってしまった生活時間(睡眠時間やテレビの視聴時間)があると思います。
どちらも繰り返し行う事で身につけた夏休みの生活習慣になります。
ただ、意図的に身につけた習慣と無意識的に身についた習慣では、かなり習慣の質が違います。
無意識的に身につけた習慣は、「こうしている方が楽だ。」「これをするのが楽しい。」「これを見るのは面白い。」などと行動と感情が結びついている習慣になります。
感情と結びついた習慣は、強固でなかなか変える事ができません。
学校に通う生活に戻す時に変えにくい行動が、この感情と結びついた習慣になります。
適応が遅れて通学渋りや不登校の原因にもなりかねません。
習慣には、繰り返しによって身につける習慣と強い衝撃によって身につける習慣(環境が変わるとか時間がなくなるなど変えざるを得ない状況を受け入れる)の2つがあります。
強い衝撃によって身につける習慣は、子どもにとっては、強制的になります。すんなりと諦める事ができれば問題はありませんが、感情が解消されず、しこりが残る事があれば、感情と結びつけようと無意識が働きます。
例えば、無意識が夏休みの生活に戻そうと、嘘をついたり、誤魔化したり、体調を崩したりと悪さをする事があります。
無意識は強力なので、言葉かけで簡単に変わるものではなく、高まった感情を鎮めるための体験(感情を満足させる体験や別の感情に置き換える体験など)を積み上げる事になります。
具体的には、楽しい体験の時間を少しずつ減らす事や、その感情よりもよい感情を味わう体験(愛されている感情を味わう体験(一緒に活動する、抱かれたり可愛がられたりする))をする事になります。
夏休みが終わってからでは、これらの体験をさせるゆとりは、保護者にはありません。
ですから、徐々に学校に通う生活に近づけるための準備を今から始める事が必要になります。
習慣は繰り返しによって作り上げる事ができるので、今から始めれば、十分対応できます。
まず、どんな習慣を身につけたのかを見つめ、その上で、身につけた習慣は意識的なものか無意識的なものかを整理します。
そして、無意識に身につけた習慣があれば、その習慣を変える対策を講じます。
子ども自身が自覚する事が、改善の近道です。
そして、それを保護者として支える事になれば、親の愛情を伝える機会にもなります。
忙しく過ごした夏休みを上手く終わらせる事ができれば、余計な苦労をせずに過ごす事ができます。
一度お子さんの生活を見つめる時間を作ってはいかがでしょう。