目の前の出来事への向き合い方
私の場合、怒りが湧き始めると、かなり声が大きくなり、腕力が強くなるのを感じています。
身体から湧き上がるエネルギーが、そこに集中して現れている感じがします。
妻からも
「ご近所にも聞こえるから、大きな声を出すのは、やめて。」
と言われます。
昔であれば、教室から力づくで、教室から廊下に連れ出して、反省をさせるようなことができましたが、今の時代では、これはできません。
元々、このエネルギーは、子どもへの愛情から生まれたものだから、愛情表現にして対応できないだろうかと考えました。
教室内でトラブルが起き、子どもに
「今度、同じことがあったら、抱きしめるからね。」
と、伝えました。
すると、子どもは、
「この年になって、それは恥ずかしいから、いやだ。」
と、ニヤけた顔をしながら返事をしました。
怒りが湧き上がっていないので、この言葉は、冗談に映ったかも知れません。
しばらくして、また同じような事態が発生したので、怒りが湧き上がってきました。
これはチャンスだと思い、湧き上がったエネルギーを全て使って抱きしめることにしました。椅子に座っている子どもを強く抱き、抱き上げ、抱きしめたまま別室まで子どもを運びました。
そして、そこで、大きな声を出すことなく、冷静に話をすることができました。
力づくで抱きしめた時に、反発して抵抗するだろうと思っていましたが、反発もなく、ただ抱かれている感じでした。
この感覚は、味わったことのない新しい感覚でした。
怒りを怒りとしてぶつける事は、実に簡単です。
今回、事前に、怒りを別な形で表せられないかと考え、自分なりに対応した事がよかったのかも知れません。
事前に考えていたので、これも実に簡単に対応する事ができました。
子どものその後の様子を見ていると、叱られたという感じがなかったのか、冷静で、落ち着いた生活をしていました。
愛情が、子どもに伝わったのかもしれません。
怒りを鎮めるために怒りとして一気に吐き出す事もできますが、今回のように怒りを愛に変えて伝えることができる事がわかりました。
怒りのエネルギーは、どんな形にでも変える事ができるのではないかと思いました。
変える意思があれば、十分可能だと思います。
世の中で起きている「子どもへの虐待」は、きっと怒りのエネルギーを怒りのまま子どもに伝えているのではないかと思います。
もし、この怒りを愛情表現に変えて子どもに伝える事ができれば、きっと愛情に満ち溢れた生活が待っているように思いました。
愛されて生まれてきた子どもたちです。子どもたちが愛情を感じる表現でぶつけてみてはいかがでしょう。
殴る、蹴る → 強く抱きしめる