通過点にする

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 「50m走の記録を取る時、60mを走るつもりで50mを走り抜けるとよい記録になる。」
と、聞いた事があります。

 実際、子どもたちを見ていると、50m手前で力を抜いてしまい、50m地点で止まってしまう子もいます。

 50mを通過点と考えるか、ゴールと考えるかによって全く結果が変わってきます。

 この事は50m走に限らず、目標を掲げる時の考え方に通用します。

例えば、
 受験
 1、「◯◯大学に行きたい。」
 2、「△△になりたいので、◯◯大学に行きたい。」
  2を選ぶと、大学受験は、通過点になります。△△がゴールになります。

 手伝い
 1、「◯◯の手伝いをする。」
 2、「△△の喜ぶ顔が見たいので、◯◯の手伝いをする。」
  2を選ぶと、手伝いは、通過点になります。喜ぶ顔がゴールになります。
 
 仕事
 1、「◯◯の仕事をする。」
 2、「お客様に役立つ◯◯の仕事をする。」
  2を選ぶと、仕事は、通過点になります。役立つ事がゴールになります。

 ダイエット
 1、「体重を減らすために◯◯をする。」
 2、「健康的な生活を送るために◯◯をする
  2を選ぶと、減量は、通過点になります。健康的な生活がゴールになります。
 
 
 より高い目標を掲げることで、通過点にした事ができやすくなります。

「誰でもミスをするから、ミスをしても仕方がない」と、考えて仕事をする人は、
「人に迷惑をかけたくないからミスをしない仕事をする。」と、考えて仕事をする人より、ミスが多くなります。

 この場合、ミスをする事が通過点となり、ミスをしない事がゴールになります。

 完璧を目指しても完璧にはできません。でも、完璧を目指すから、初めからミスを認めている人よりもミスが少なくなるという事です。

 だからと言って、完璧主義を目指せということではありません。

 掲げる目標をどこにするかによって取り組み方や取り組んだ結果に大きな違いが生まれるという事です。

 長期的な目標が短期的な目標を達成するために役立つ事も同じ考え方ができます。
 短期的な目標は、通過点になります。長期的目標がゴールになります。

 物事の本質を見極めようと努力することは、常に高い目標を掲げることと同じことになります。
 常に通過点を作りながら、歩みつづけることになります。


 目の前に現れる様々な壁も、目標達成のための通過点と考えると、ストレスを減らして取り組めると思います。

 壁を乗り越えた先にゴールがあります。

 ストレスは壁を乗り越える手前にあります。壁を乗り越えた先にある満足感や充実感、達成感などを味わうために必要なものと考える事ができます。
 つまり、ストレス解消は、ゴーではなく、通過点です。
 
例えば、
 仕事上の人間関係でストレスを感じている人は、人間関係を何とかしようと、もがきます。もしかすると、これが目標となっているかもしれません。
 そうではなく、よい仕事をすることをゴールと考え、人間関係のストレスを通過点にすると、ストレス解消の手立てが広がり、感情に動かされにくくなります。
 壁を乗り越えた先にゴールがあります。ストレス解消はゴールではなく、通過点です。

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須田敏男
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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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