習慣化にもレベルがある

須田敏男

須田敏男

テーマ:子育て

 単調な生活を続けていると、飽きてきて、変化を求めたくなります。逆に変化の多い生活が続くと、安定した生活がしたくなります。
 これは、自然なことで、自分の思いとは関係がありません。

 習慣にして身につけようとしていることでも、同じ事です。必ず、それをやめさせようとする力が働いています。

 この事を知っていれば、その対策を事前に考え、習慣を続ける事ができます。

 子どもたちにホワイトボードに自分の計画(勉強、遊び、読書、仕事)をカードで掲示し、みんなにわかるようにしているのもそのためです。
 掲示して、すべき事を目にする機会があれば、忘れる事も少なくなります。
 また、お友達から、指摘されることもあり、忘れる事も少なくなります。

 カードを入れ替えることで、生活に変化をつける事ができ、飽きる事も少なくなります。

 計画通りにできそうになければ、予定を変更する事もできます。

 自分の意思で、カードを動かすことが、自分の生活を自分で作る事になります。


 一つひとつの取り組み(勉強、遊び、読書、仕事)を習慣化する事も大事な事ですが、それ以上に、自分の生活を自分で決める事が習慣化する事の方が大事です。

 これは、一段深いレベルでの習慣化になります。
 
 誰かに言われたから事をするのではなく、自らの意思で事をする事が身につけば、どんな時にでも、自らの意思を働かせて行動しようとする姿勢で取り組む事ができます。

 これは、場当たり的な対応をしがちな子どもたちにとって、大切な習慣です。

 帰って来たら、まず計画を立てて、計画に沿って生活をして、自らの生活を振り返って帰って行く・・・・生活そのものを習慣化する

 これが、身につけば、
「勉強しなさい。」
「早く寝なさい。」
などの指示など不要になります。

先日、ある保護者の方が、
 「教室ではできても、家では言わないとなかなかできないんです。」
と、おっしゃいました。

 言わないとできないのではなく、言ってしまうから、できなくなるのが本当のところだと思います。

 「彼なりにすでに決めていると思いますから、『いつ、するの?』とか『次は何するの?』などと、彼の意思を尋ねてみてはいかがですか?」

 と、お伝えしました。


 「言わないとできない。」という思い込みから発せられる言葉かけが、指示待ちの子どもにしているのかも知れません。

 勉強をする事を習慣化する事と、自分で決めた事をする事を習慣化する事では、習慣化のレベルが違います。

 目指す習慣の違いが、子どもに投げかける言葉の違いになって現れます。

 つまり「勉強しなさい。」「早く寝なさい。」という言葉かけと「いつ、するの?」「次は何するの?」という言葉かけには、目指す習慣の違いがあるという事がわかります。

 自ら考え、実行する子(自分から進んで勉強する子)にしたいのであれば、子どもにどんな言葉をかけているのか、見直して見る事が必要かも知れません。

 「勉強しなさい。」と言い続けても変わらない子どもの姿に飽きてきていませんか?

 今が、子どもに投げかける言葉を変えるチャンスかも知れません。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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