習慣の裏に何がある?
子ども預かりの中で、「振り返り」の時間を設けています。
それは、自分の生活をよりよくしていくためには、一旦立ち止まって、自分を振り返り、見つめ直す事が、有効だと考えているからです。
自宅に帰る前の数分間をこの時間に当てていますが、お迎えの時間が、早くなって「振り返り」をせずに帰ってしまう事があります。
ただ、それだけでなく、活動に夢中になって振り返りをよく忘れる子と、きちんと「振り返り」をする子がいます。
感情に流されやすい子や、活発に動き、友達と遊ぶ事が好きな子は、この「振り返り」をよく忘れます。
一人遊びや読書が好きな子は、忘れる事が少ないようです。
「振り返り」自体が、思考的なため、感情や身体が優位に働く子にとっては、苦手かもしれません。
しかし、日常的にできれば、今の自分から、少し距離を置いて自分を見つめる新たな自分を作り上げる事ができます。
日常の自分が、第一ポジションとすれば、少し距離をおいた自分は、第二ポジションになります。
第一ポジションだけで生活していると、目の前の出来事に反応する場当たり的な行動が多くなります。そのため、その場その場の感情に流される事になります。
第二ポジションを取り入れると、外から自分を見つめる事になり、第一ポジションの時よりも客観的に自分をとらえる事ができ、感情に流される自分を見つめる事ができ、行動を変える事が期待できます。
振り返る事自体、過去の自分を見つめる事ですから、今の自分と切り離す事になり、第二ポジションそのものになります。
よりよく生きるということは、今の自分を肯定しながらもよりよい自分を求める姿勢になるので、この第二ポジションの自分は、欠かせません。
子どもたちが、親から、叱られたり、諭されたりする場面は、第二ポジションを体験するよい機会になります。
ただ、他人の力に頼らず、自分自身でその時間を設ける事ができれば、より早く、より多く、よりよい自分を作り上げる機会ができます。
その意味からも日記を書く事は、この第二ポジションを作る事になります。
このことは、子どもに限らず、私たちの生活にも当てはめる事ができます。
ただ、ネガティブな思考をしていると、日記は繰り返しになるので、よりネガティブな思考になっていきます。
まずは、自分を肯定した上で、よりよい姿を目指すように振り返る事になります。
できた自分と+αを加える振り返りが重要かと思います。
その意味からすると、振り返りの内容がとても重要になります。
この第二ポジションには、3種類の位置があります。
1 空間的
今いる位置から実際に離れて、距離を取り、自分を見つめる事になります。
2 時間的
過去、現在、未来と時間を変えて、自分を見つめる事になります。
3 レベル的
立場を変えたり、観点を変えたりして、自分を見つめる事になります。
このうち、レベルを変えて自分を見つめる事が、よりよい自分に変化すると言う意味から考えると役立つ事が多いように思います。
例1 相手の立場から眺める
相手からどのように見えているか、相手側から、自分を見つめる事になります。
例2 役割を変えて眺める
例1と似ていますが、組織の中で、今の自分以外の人の立場から自分を見つめることになります。
例えば、従業員であれば、経営者の立場や客の立場から見つめる事になります。
家庭ならば、自分の立場だけでなく、パートナーの立場や両親の立場、子どもの立場などから見つめる事になります。
例3 質を変えて眺める
ビジョンや目標・目的レベル、信念・価値観レベル、能力レベル、行動レベルなど質を変えて自分を見つめることになります。
日常的には、行動レベルで、自分を見つめている事が多く、ビジョンや目標目的を忘れがちになります。
子どもたちの「振り返り」では、現在、過去の行動に焦点が当たっています。
まずは、ここから始め、「めあてをもって生活する」が始められたら、「めあて」の振り返りを加えたいと思います。