「忙しいから」を使わない

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 年度初めてということで、新しい仲間との関係づくりや新しい仕事内容などで、忙しく動き回る事が多いのではないでしょうか。

 そんな時に、別の役割の依頼があると、
「ちょっと、今は忙しいので無理です。」
などと辞退することがあります。

 この「忙しいこと」と、「別の役割を引き受けること」とは、別の話ですが、多くの場合、これが通用しています。

 例えば、
「忙しい人は、誰も引き受けないのですか?」

とか、

「忙しい中でも、引き受けた仕事はこれまでの人生を振り返って、一度もないのですか?」

とか、

「忙しくても仕事を増やしている人を一度も見た事はないですか?」

などと質問されると、「忙しいこと」が、「別の役割を引き受けること」の理由にならないことがよくわかります。

 役を辞退する理由をよく考えてみると、
・時間にゆとりがない
・役に興味関心がない
・役を引き受けるだけの器ではない
・役を引き受けるメリットがない
などがあります。

 この理由を知られる事なくオブラートに包むかのように辞退する事に役立つ言葉が、「忙しいから」だと思います。

 更に、これらの辞退の理由から、自分自身の固定的なものの見方考え方が前提になっている事がわかります。

 費やせる時間の枠を既に決めている(制限している)
 興味関心の枠を既に決めている(制限している)
 器の大きさを既に決めている(制限している)
 役のメリットの枠を既に決めている(制限している)

 辞退しない人は、この制限を外していると思います。

「これまでの自分を変えたくない自分」と「これまでの自分を変えたい自分」は、誰にでもあります。

 常に一方だけを選択しているわけではなく、うまく調整しながら、変化し続けているのが、私たちです。

 ところが、この便利な「忙しい」を理由にしていると、自分自身の枠がわかりづらくなります。
 
 「忙しい」を理由にして、逃げたり、誤魔化したりせず、誠実に自分と向き合うと、本当の理由が見えてきます。

 そして、変化するチャンスが、目の前にある事に気づきます。

 つまり、「忙しいから」を使わない事は、自分を見つめる機会を自ら作った事になります。
 そして、自分を大事にする事にもなります。

あなたは、「忙しいから」を使い続けていませんか?

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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