節目を作る
硬膜下血腫の術後の脳の状況を確認するために病院へ父と出かけました。最近の動きからすると、かなり回復しているのではないかと思いながら、医師から説明を受けました。
術前、直後、現在の脳の断面写真を比較しながら見せてもらいました。
老化による萎縮が見られましたが、脳の回復を確認する事ができました。
脳の回復を写真で観察しただけですが、脳の変化を見て、「生きているって、すごい。」と感動しました。
加齢による変化は仕方がないとしても、元に戻ろうと脳自体も頑張っている様子を見せてもらった感じです。
改めて脳の凄さを実感しました。
この事は、父だけでなく、私自身の身体についても同じです。
腰を痛めたおかげで、首を曲げるだけで腰に痛みを感じると、首と腰のつながりを実感しました。
腰を動かさない腕立て伏せの姿勢を取ろうとした時でも腰に痛みを感じ、身体を支える腰の働きを実感しました。
このように自分の気づかないところで、一生懸命に働き、自分を生かしてくれている身体の凄さを感じます。
改めて考えてみると、食べ物を摂ると、身体の栄養になるまでの消化、吸収なども無意識的で、自動的に身体が動いてくれます。
身体を壊しても修復しようと働いてくれているのも無意識的です。
私たちは、自分の意思で生きているように思っていますが、そうではないようです。無意識的に生かしてもらっている事を多く発見する事ができます。
・危険を察知すると避けようとします。
・疲れていると眠くなります。
・活動するとお腹が空いたり、飲み物がほしくなります。
・運動すると汗をかいたり、心拍数が上がったりします。
・好きな人が現れる時と苦手な人が現れる時では違った感情が湧き上がります。
・綺麗なものや汚いものに出会った時には違った感情が湧き上がります。
・自分の考えと似ている考えと異なる考えを知った時には違った感情が湧き上がります。
・目の前に起きる出来事に反応して、様々な感情を湧き上がらせます。
・悩みが増えてくると苦しくなり、身体を重く感じます。
など、いろいろ挙がってきます。
刺激に反応して生きている時間がとても多いように感じます。
このように考えると、もし、
「1日の中で、どのくらいの時間を意識的に生きていますか。」
と問われた時、どう答えられるでしょう。
刺激に反応して、湧き上がった感情に流されて生きている時間が多いように思います。とても多いとは言えません。意識的に生きている時間は、ほんのわずかのように思います。
言いかえると、私たちは、生きているというよりも、生かされていると言った方がいいかもしれません。
でも、自分らしく生きたいという気持ちが心の底から沸々と湧き上がってきます。
生かされているこの身体をどのように活かすかは、自分次第だと思いながら、トイレに起きた父の介護をしています。