不安を乗り越える

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 行事を進める時、今までのようなフォロアーの立場ではなく、新しくリーダーとなった時には、不安で一杯になります。
 これまでリーダーになった体験がないと、リーダーの立場になっただけで責任の重さを感じ、不安一杯になる方もいると思います。
 これまで、コロナ禍を理由にすれば、行事を中止にして逃げる事ができましたが、今後は、コロナ禍を理由に中止にする事はできなくなりました。
 不安を抱えたまま、行事をすると、不安一杯の行事になります。
例えば、決断しなければならない時に不安があると、決断が遅くなります。
 そして、遅れた分、活動にゆとりがなく、目先の出来事に振り回されて、後手後手になる事が多くなります。

 そして、その後手後手が、多くのフォロアーの不安材料にもなり、連携がうまく取れなくなる心配があります。

 このように「不安」が、悪循環を生む原因にもなります。

「不安」は、心の状態であって、実態があるわけではありません。

ですので、自分次第でどのようにでも変える事ができます。

 不安を解消する方法がわかれば、乗り越える事ができます。
そこで、こんなワークを用意しました。

1 これまでの人生の中で抱えた不安な状態を思い出す。
 似ている不安な状態を探す。
 ・新しい環境に入る時の不安(入学、学級編成、転居など)
 ・初の体験をする時の不安(交流、知らない場所、乗り物、道具、受験、就職、転職、地位、役割など)
 ※必ずあるはずです。今ここにいるのは、乗り越える事ができたからです。ただ思い出せないだけで、時間をかければ浮かんできます。

2 思い出した不安をどのように乗り越えたのか、その時の状況を思い出す。
 ・役に立った人はいないか?
 ・役に立った環境はないか?
 ・役に立った行動はないか?
 ・役に立った言葉はないか?
 ※今の不安を解消するリソースとなるので、できるだけ多く見つけます。

3 2で見つけたリソースを使ってその時に不安を乗り越えた自分を感じる
 乗り越えた時に感じる安心や安堵、達成感、充実感など、自分なりに感じた感情を思い出して、その感情に浸る。
 ※不安とは異なる感情を味わう事が、不安の解消に役立ちます。
 
4 移動して位置を変えて、不安を抱えている自分を眺める。
 3で味わった感情を一旦フラットにし、立った状態で、再度、抱えている不安を思い出して味わう。(位置A)
 不安を感じている自分をその位置に置き、着ぐるみを脱ぐかのようにその位置から2歩前に出る。(位置B)
 位置Bから振り返り、不安を抱えている位置Aの自分を眺める。
 ・姿勢、顔の表情、明るさ、温度などを観察する。
 ・呼吸を観察する。
 ※ 不安を抱えている自分を外から眺める感じです。

5 観察している自分から励ましの声をかける
 3で味わった感情を思い出し、不安を乗り越えた自分から、位置Aの自分に励ましの声をかける。
 ※乗り越えた自分から不安を抱えている自分に愛情を込めて、心から励ましの声をかけます。乗り越えられる自信を与えるチャンスになります。

6 励ましの声をかけられた自分の気持ちの変化を味わう。
 一旦気持ちをフラットにし、位置Aに入る。不安を持った自分に位置Bから、励ましの声をかけられた状況を再現して、感情の変化を味わう。
※励まされた感じがなければ、位置Bの自分に声をかけ、再度励ましの声をもらう。(位置Aと位置Bと、位置を変えながら、やりとりをします。)

 自分の中には、不安を感じる自分だけでなく、不安を乗り越える逞しい自分もいます。
 このワークがうまくできなくても、不安を抱える自分以外の自分が見つかるだけで、十分の成果があります。

 どちらも自分を守ってくれる大切な自分です。

 うまく調整しながら、生きていけるのが、私たち人間だと思います。
決して一人ではありません。

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須田敏男
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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

あすなろ教室

 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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