長期的視野に立つ
ロシアがウクライナ侵攻を開始して、1年が経とうとしています。
先が見えない行き詰まりの状況が、続いています。
私たちの生活への影響も広がり続けています。
(その影響のためか)
北朝鮮の行動に刺激され、日本の防衛力の増強に力を注ぐ方向に動き、戦争に巻き込まれはしないかと不安を抱え始めている人が、増えているように感じます。
戦争が終わって平和な生活が早く実現できる事を祈るばかりですが、この行き詰まりの状況はなかなか解消されないのが現実です。
行き詰まりの状況は、このような世界的な問題を職場や家庭、自分自身に置き換える事ができます。
立場や考えが異なる二者が、自分の言い分を主張している時は、ロシアとウクライナが戦争をしている状況と重ねる事ができます。
そして、その状況が続くと、人間関係が崩れたり、ストレスが大きくなって体を壊したりするのは、戦争の影響を受けている私たちの生活と重ねる事ができます。
放っておけば、どんどんその影響が広がっていくことは確かです。
この行き詰まりを早く解消しなければなりません。
解消のためには、次の方法が、考えられます。
1 力のある方が、強引に自分の主張を押し通す。
2 話し合いを通して、両者の妥協点を見つけて、折り合いをつける。
3 両者を生かす新たな方向を作り出す。
二者を構成する集団の規模の大きさの違いはあっても、同じように考える事ができます。
ただし、規模が大きくなればなるほど解消に時間がかかると考えられます。
逆に規模が小さくなれば、解消に費やす時間が短くて済むと考える事ができます。
この3つの方法のうち、1と2には、必ず、影が残っています。
1の場合は、力の弱い立場の主張であり、2の場合であれば、折り合いがつけられなかった部分です。
影があるうちは、マグマ溜まりから噴出して火山が爆発するように吹き出す危険性をはらんでいます。
ですから、爆発しないように影への配慮を忘れない事が重要になります。
3の場合は、影がないため、両者がありのまま生きながらえる事ができます。
これらは、弁証法の「正反合」の「合」や儒教の「中庸」に当たる生き方になると私は考えています。
感情に流されているうちは、なかなか「合」や「中庸」を見つける事ができません。
それは、感情が湧き上がる背景に「自分の主張」があるからです。
行き詰まりを解消するためには、感情を脇に置いて、冷静に両者を眺め、愛をもって包み込む勇気が必要になります。
勇気をもった時、見えない力が後押しをしてくれて新しい知恵を授けてくれるようです。
※稲盛和夫さんは、「美しい心を持ち、夢を抱き、懸命に誰にも負けない努力を重ねている人に、神はあたかも行く先を照らす松明を与えるかのように、「知恵の蔵」から一筋の光明を授けてくれるのではないでしょうか。」と話されています。
まずは、自分自身の中にある行き詰まりの状況の解決から始めたいと思います。
「自己主張が強い自分」
これはかなり手強いです。
自分を冷静に見つめ、愛をもって包み込む勇気をもち、3の解決方法で取り組みたいと思います。