リーダーは誰?
「やると決めたらやる」・・・いわゆる意志力につながります。
子どもたちに教室での生活のスケジュールを立ててから、活動を始めてもらうのは、この意志力の強化をねらっているからです。
子どもたちを見ていると、目の前の出来事に振り回されてたり、仲間の声にすぐに反応したりして、自分で決めた事に集中できないことが多いように思います。
このことは、子どもたちの脳の発達から考えると自然な姿です。
脳は自分を守るために五感を通して情報を集め、危険を回避し、安全な環境に順応するように思考を働かせます。そして、それに合った行動をします。
脳の発達途中の子どもたちにとって、自然な反応と考えることができます。
出来事にすぐに反応して、安全な状況を作り出そうとします。
一人では生きていけないため、人の声に反応し、仲間を作ろうとします。
ですから、「やると決めたらやる」ということは、この自然な反応に逆らう事になります。
自然な働きに逆らって、意志の力でするのですから、かなりエネルギーが必要になります。
このエネルギーを得るために次の4つが必要と考えています。
教室では、次の準備をして、取り組んでいます。
1 同じ方向に進む仲間がいる事
・スケジュールを教室のみんなが立てます。
・スケジュールを知り合っている仲間になります。
2 力を発揮しやすい環境がある事
・スケジュールが掲示される白板があります。
・各自が書き込むスケジュール表があります。
3 評価の視点を明らかにする事
・スケジュールに関して、「計画通りにできた」「変更した」「計画以上にした」などの評価項目と評価点があります。
・「人間の脳・動物の脳」「天使の声・悪魔の声」など、スケジュール達成のための見方・考え方についての話を時々します。
(視点を明らかにすると、目標を立て易くします。)
4 自分を振り返る機会がある事
「ふりかえり」の時間を設定しています。
自然に逆らって、自分を鍛えているのだから、子どもたちにとっては、かなりハードな取り組みです。
焦らず、じっくりと自分のペースで、身につけていくことを願っています。
子育てだけでなく、自分の生活を変えようとする時、
「やると決めたらやる」ことは、
「自然に逆らう力を養う」ことだと考えて、
ここに示した「4つの準備」をして取り組むと、
「やると決めたことができる」
に、つながるのではないかと思います。
一度試してみては、いかがでしょう?
「4つの準備」
1 理解者、協力者を作る
2 実行しやすい環境を整える
3 目標(評価の視点や基準、見方・考え方など)を準備する
4 振り返る機会を作る