上手く頼るには?

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 高齢化が進み、自治会の会員も高齢者が、多くなりました。
 中には、「お役に立てないから、脱会したい。」と話される方がいます。とても悲しいことです。
 きっと辛い思いを抱えながら吐露されたのだろうと思います。

 誰でも、老いるとできなくなることが増えます。これを避けることはできません。

 筋力が弱くなるため、動きが遅くなります。
 忘れる事が増えるため、物事を上手く進められなくなります。
 聴力が衰えるため、人との会話がうまくできなくなります。
 
 このように、体の衰えが、日常生活の変化を生み、あらゆる事に自信を無くしていくのではないでしょうか。

 心が病んでしまうと、気力が弱くなります。

これが生き方にまで影響を及ぼす事になります。

 それが、「お役に立てない」という言葉になったのだろうと思います。

 見方を変えると、老いると他者に頼る機会が増える生活になっていくという事になります。

 自分のことは自分でやってきたという思いが強いと、なかなか他者に頼れません。もしかすると、頼る方法を知らないかもしれません。

 「お役に立てない」という言葉の裏には、他者に頼ることへの思いが隠されているのかもしれません。


 自立と依存

 このどちらか一方が、強すぎても、上手く生きていけません。
例えば、物事を自分の思いだけで進めていくと仲間と協調できず、トラブルを生みます。
 頼り過ぎて、他者から鬱陶しがられる事になっても、トラブルの原因になります。
 この両方を上手くバランスを取る事が大切な気がします。

 このことは、年齢とは関係ありません。私たちの日頃の姿勢になります。

 具体的には、他者に頼る時に、「申し訳ない」を選ぶか、それとも「ありがとう」を選ぶか、この選択が、自立と依存に関係していると思います。

 私自身を見つめると、「申し訳ない」を選択する事が多いように思います。「ありがとう」が、なかなか言えません。

 「お役に立てない」「迷惑をかける」の気持ちが強くなるので、「申し訳ない」になってしまいます。
 できない自分は他者にとって「悪」と捉えているからです。

 「困ったときは、お互い様」と捉えることができれば、「悪」では、なくなります。
 また、支える他者の思いやりを培う大事な存在と捉えることができれば、これも「悪」では、なくなります。
 見方を変えるだけで、気持ちも変わります。

 できないことが増えても、他者と仲良く生活できるよう、今から「ありがとう」を取り入れ、自立と依存のバランスが取れた生活をしたいと思います。

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須田敏男
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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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