家庭は職場?(ストレスを家庭に持ち込まない方法)

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 在宅勤務が増えたため、家庭でのトラブルが増えている状況があるようです。
その原因の一つに家庭と職場が一緒になっているため、家庭で処理すべきストレスと職場で処理すべきストレスが
混在していることが考えられます。

 在宅勤務前の生活を思い浮かべてみると、
   家庭→通勤時間→職場→通勤時間→家庭
 となっています。
 この場合、通勤時間を利用して、家庭生活から職場生活、職場生活から家庭生活に切り替えをしています。
 
 そのため、それぞれの場で生まれたストレスは、通勤時間を利用し、緩和することができました。
  家庭でのストレスは、職場に着くまでに音楽を聴いたり、読書をしたり、お茶を飲んだりしながら、緩和されています。
 同様に、職場のストレスは、
   家庭に帰るまでに音楽を聴いたり、読書したり、お店に寄ったり、別の要件を済ませたりしながら、緩和されています。
  このように家庭と職場が分かれているために、通勤時間をうまく使ってストレスを緩和してきたのが、これまでの生活です。
 
 在宅勤務となり、家庭と職場の間の通勤時間がないために、緩和する時間がなく、
  「家庭に仕事のストレスを持ち込む」、「家庭のストレスを仕事に持ち込む」ことになっているのではないかと思います。

 これでは、どちらの生活にとってもプラスにはなりません。

緩和する時間もなく、ストレスを直接家庭で発散することになります。
  家庭内の弱者に向けられ、子どもや高齢者、配偶者が対象になります。
  虐待にならなくても、強い言葉や態度となって現れます。
  (虐待になっては、大変です。)

 そこで、家族の協力を得て、家庭の中に職場を設けるイメージして、家庭生活ど仕事との両立を図るのはいかがでしょう。

 両立には、空間、時間、内容の3つの視点からストレス緩和を考えることになります。
(すでに実行されていることが多いと思います。家族ときちんと話し合うことが、重要です。話し合いが不十分だとトラブルの原因になります。)

① 仕事をする空間を決める <ストレスを緩和するための空間>
 仕事をする場所を決め、そこにいる時は、仕事中だということを家族に理解してもらい、家にはいないイメージを作ってもらいます。
 仕事の最中に家族から声を掛けられることが、仕事の効率を下げます。
 ※昼食を自宅で取ることになります。本来ならば、職場で取るため、家族に負担をかけることはありません。
  ですから、休憩時間に職場から離れて家族と一緒に食事ができることに感謝することができます。
  (家にいるから当たり前ととらえると感謝の気持ちが湧きません。職場から自宅に戻って食事をするイメージが大事です。)

② 仕事をする時間を決める <ストレスを緩和するための時間>
 「仕事中に家の仕事を持ち込まない」、「家庭の生活に仕事を持ち込まない」を原則にすることを家族にも話し、仕事中に家族から声をかけられない
 ようにします。これも仕事の効率を下げないためです。
 具体的には
  ・日課を掲示し、家族もご自身も今は何の時間なのかを明確にできるようにする。

  仕事中に家族から声が
  仕事の時間、家庭での生活の時間の変化にうまく対応ができないとこれもストレスになります。
  

③ 休息時間(通勤時間に当たる時間)を設ける <ストレスを緩和するための内容>
 実際に通勤するわけではないのですが、仕事と家庭生活を切り替える上でとても大切な時間になります。
  仕事を始める前、仕事を終えた後に休息時間を位置付けると生活の切り替えがスムーズにできます。
 この時間の設定については、家族の理解を得ることが必要です。所要時間については、通常の通勤時間とは異なります。
 気分を変えたり、ストレスを緩和したりする時間ですから、家族との話し合いで決めることになります。
 ・メンタルヘルス(セルフケア)をする
  ※呼吸法、漸進的筋弛緩法、自立訓練法、認知行動療法などがあります。
   これは、働く人にとってストレス社会を生き抜く上で必要な技です。この機会に是非一つは使えるようにするとよいと思います。
 ・ストレス解消のためのコミュニケーションをとる  
 ・ヨガをする
 ・散歩をする
 ・読書をする
 ・音楽を聴く
 ・遊ぶ
 ・睡眠を取る
 ・動物の世話をする        など
 
  家族がいる場所で休息を取る場合は、家族の理解がないとトラブルの原因になります。
   (休息場所は、仕事場か外がよいかと思います。ただし、コミュニケーションは別です。)
 
仕事でも家庭生活でもストレスが発生するのは、日常茶飯事です。
ですから、③がストレス緩和にとって、とても重要な役割を果たします。
※一番大事なこの時間が疎かにされているように思います。

 家庭のストレスと職場のストレスを分けることができれば、在宅勤務であっても、従来の家庭生活以上の充実した生活が送れると思います。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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