台風に備える
「子どもは、褒めて育てよ。」と聞くことがあります。
こんなことを言われると
「そんなことは無理。」
「どう褒めてよいのかわからない。」
「叱ってはだめなのか?」
などと思うことはないでしょうか。
お子さんには、自信をもってもらいたいし、打たれ強く外圧に耐えられる逞しさももってもらいたいと思います。
そのためには、褒める事だけでなく、叱る事も大事です。
本当に大切なことは、お子さんにどんな言葉を投げかけるかということです。
言葉には、脳に影響を与える力があります。
言葉をうまく使うことが自信や逞しさにつながります。
例えば、
A 「お前は、馬鹿だ。」
B 「お前は、馬鹿なことをした。」
と比べてみましょう。
同じ馬鹿と言われても、感じ方が違います。
Aは体全体で感じますが、Bは、体の一部で感じます。
この違いが脳に与える影響の違いになります。
Aの場合は、体全体で感じるので、かなりダメージは大きく、影響は大です。
しかし、Bの場合は、それほどでもありません。
この違いを意識しながら、言葉を選べば、褒めても叱っても効果が違うということです。
A あなたは、素晴らしい
B あなたの行いは、素晴らしい
あなた自身を丸ごと素晴らしいとほめているか、あなたの行動というあなたの一部をほめるかの違いです。この違いが脳への影響の違いになります。
どの言葉が脳にどの程度の影響があるかをわかりやすく表したのが、ニューロロジカルレベルです。
脳への影響が大きい方から
①アイデンティティレベル (自分そのもの、立場、役割など)
②信念・価値観レベル (見方・考え方、思い、価値観など)
③能力レベル (学力、技能、〇〇力など)
④行動レベル (行い、ふるまいなど)
⑤環境レベル (場、時間、物など)
①~④は、自分の内側になります。⑤は、自分の外側になります。
(上位レベルほど影響が大きくなります。①>②>③>④>⑤)
褒めるのであれば、①をほめると脳への影響は大きくなります。
叱るのであれば、③や④を選ぶと影響は小さくなります。
(⑤は、自分の外側になるので、自分とは無関係となり、褒めたり、叱ったりすることにはなりません。)
これらのことをうまく使って、叱ると効果的に叱ることができます。
・「あなたのことは大好きだよ(①)。でも、あなたのしたことは間違っている(④)。」
・「~の役をよく頑張っているね(①)。それならば、相手の立場も考えるといいね(②)。」
つまり、
上位を褒めて、下位を叱る
これができれば、楽に叱ることができます。
叱るときに感情が入っていると、子どもはその感情に反応してしまいます。
「叱られるのが怖いからやめよう。」では、叱り甲斐がありません。
叱られる意図をわかってもらうことが成長につながります。
感情的に叱ることがいかに無意味かがわかります。
感情的になりそうなときは、一呼吸して、自分の気持ちを静めてから言葉をかけるとよいでしょう。
ニューロロジカルレベルをうまく利用した言葉かけを繰り返すことは、「私は大丈夫だ。」と脳に思い込ませることになります。
褒め方・叱り方が変われば、お子さんの反応も違ってきます。
お子さんの行動を価値ある行動すると自信につながります。
お子さんの行動に自信を持たせ続けると多少の圧力にも耐えることができます。
※しおりにしたり、下敷き代わりにしたり、身近なところにおいて繰り返し使えるようにしました。