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眼鏡店の役割は、裸眼よりも視力を上げること?

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

多くのお客様は、今よりも良い視力を求めて、眼鏡店に来店されます。

では、『眼鏡店の役割は裸眼よりも視力を上げること』だけかと考えると、
それだけではないと考えている眼鏡店は多いのではないかと思います。

眼鏡店の役割

眼鏡店の役割は『快適な生活のための視界を提供すること』と考えます。

眼鏡店はメガネを提供する店であり、
メガネは一般医療機器として、ファッションとしての意味があります。

ファッションとし提供する場合は特に問題はないものの、
一般医療機器として提供する場合、その眼鏡が何のために使われるのかを知って提供しないと、
ただの雑貨となる可能性が高くなると思います。

メガネは作るだけなら、度数・軸度・PD、
場合によってはプリズムD・基底方向・加入度までわかれば、
精度を求めず、機械さえ使えれば、誰でも作ることができます。

ただ、それでは『快適な視界』を提供することは難しく、
今まで、協会がネット・通販を禁止していた理由の一つと思います。

快適な視界?

『快適な視界』が何かというと、その人の要望・生活などに合った視界と思います。

『遠くを見るための視力がほしい』という要望がある方には、
通常、完全矯正値のメガネを作製すると良いと思います。

でも、この『遠く』という言葉が、山のような景色なのか、テレビくらいの距離なのか、
人によって意味合いが異なることが多くあります。

また、『近業作業を楽にするために使う』ということでも、
どういう仕事なのか、手芸なのか、テレビゲームなのか、スマホゲームなのか、
といった具合に、これも人によって意味合いが異なることが多くあります。

そのため、『快適な視界』を提供するためには、
お客様から情報をもらわないと難しいので、ヒアリングが重要となります。

ただ、お客様の眼の状態によっては、要望までの視界が得られないこともあるため、
できうる限りという形にはなります。

最適なメガネの提供

フレームとレンズという半製品が一つになって、
メガネという一般医療機器としての製品ができます。

フレームは骨格にあたる部分で、ファッション性や機能性、耐久性など、
見て触って掛けてみれば、比較的わかりやすいので、お客様の感覚で選びやすくなってます。

ただ、そのコンセプトや、作り、製造方法など、その特徴については眼鏡店が言わないと、
メガネに詳しい方以外はわからない部分もあります。

レンズについては基本的に無色透明なので、
1000円でも、1万円でも、10万円以上でも、見分けがつかないと思います。

自分たちでも、メガネになってしまった単焦点レンズは見分ける術がなく、
累進レンズでも隠しマークがない、または削れてしまったものは、
どのクラスのレンズが知りようがないです。

そのため、それぞれのレンズの特徴、特に設計についてある程度、熟知していないと、
価格以外のメリットを求められているお客様には提案できなくなります。

価格が安いから良い、設計グレードが高いから良いではなく、
要望を聞いて、価格と性能のバランスが良いレンズを提案することで、
お客様の最適なメガネになると思います。

眼科へ促すことも役割?

お客様の視力測定をした際、異常や違和感を感じることがあり、
その場合、眼科へ行くことを促すのも眼鏡店の役割となります。

眼鏡作製技能士や認定眼鏡士は、医師ではないため、診断できません。
でも、医師までの勉強ではなくても、解剖学や医学などを多少でも学んでいないと、
眼科へ促す必要があるかどうかを判断することができない。

異常や違和感を感じることができなければ、普通にメガネを作ってしまうと思います。

ただ、自分たちは診断できないため、どうやって眼科へ行ってもらうかは
結構悩むところではあります。
なので、眼鏡店が眼科へと強く促した場合は、行った方が無難な場合が多くあります。

眼は大事な器官なので、セルフチェック(本人)と、眼鏡店(他人)で、
ダブルチェックできれば、手遅れになることは少ないと思います。

もちろん、セルフチェックで異常と思うのなら、眼鏡店ではなく、
直接眼科へ行ってください。

まとめ

眼鏡店の役割としては、『裸眼よりも視力を上げること』ではなく、
①快適な生活のための視界を提供するため、最適なメガネの提案
②視力測定時やヒアリングで、異常や違和感があった場合、眼科へ促す
この2点に集約されると考えてます。

ただ、どちらの事項に対しても、お客様からの信頼・信用があってのことなので、
お客様自身が信用できる眼鏡店の担当者を探すのも良いと思います。

次は、『眼鏡作製技能士プライム会員』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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