フレームの材質について(樹脂)
ツーポイントフレーム、いわゆる縁なしメガネは、昔から人気があります。
ただ、同じグレードのフルリム(枠があるヤゲンタイプ)や
ハーフリム(半分だけ枠がある溝堀タイプ)と、
ツーポイントフレームを比較すると、高いと感じる人がいるようです。
個人的にも割高感はあるので、高く感じる理由を考えてみました。
実際に、価格の理由はブランドやモノによっても違うとは思うので、
一般的に考えて、想定される理由になります。
ツーポイントフレームが人気な理由
ツーポイントフレームが人気の理由は、素顔に近いからと思います。
今の時代は、『アイウェア』という考えがあるため、
メガネは服と同じ、むしろ顔に掛けるので、
服や時計など以上に、自分の第一印象に直接影響があるので、
デザインや質を重視するという方も多くおられます。
その中で、ツーポイントフレームはそのデザインを気に入る方も多いし、
素顔に近く見えるため、メガネ自体に抵抗がある方も、
受け入れやすくなっています。
ツーポイントフレームが割高に見える理由
ツーポイントフレームが割高に見える理由を考えてみると、
フルリムやハーフリムなどと比べて、部品数が少なく見えることと思います。
ただ、考えててもらいたいのが、フルリムとハーフリムと違う点です。
素材としての話であれば、フロントのリム部分がないだけになります。
ツーポイントフレームが高い理由
今度は、ツーポイントフレームが比較的高くなる理由について考えてみます。
・デザインや設計が大変
・パーツ一つ一つに手が込んでる
・リムがないため、組付けが大変
この3点が大きいのではないかなと思います。
リムがない分、デザインで差をつけることが難しいものの、
ブランドによって、デザインが異なります。
リムで特徴を出せない分、他のツーポイントフレームとの違いを出すのは、
かなり難しいと思うので、デザイナーの腕の見せ所ではないかなと。
デザイナーは、組付けた場合にメガネとして機能するかどうかなど、
様々な点が考慮され、玉形やパーツをすべて組付けた状態でのバランス、
衝撃があった際の力の逃げ方も計算されて作られます。
また、リムがない分、パーツ一つ一つの強度などもこだわっている場合が多くあります。
ツーポイントフレームに限らないですが、ブリッジ(鼻の部分)だけで、
1週間で10数回圧力をかけて、製造する場合もあります。
組付けが大変なツーポイントフレーム
リムがないということは、組付け作業は大変になります。
正直、レンズを削る作業も含め、ツーポイントフレーム1本を作るくらいなら、
フルリムやハーフリムを5本くらい作った方が楽かなと。
レンズに穴をあける際は、一番気を使います。
というのが、1mm程度ズレてしまうだけで、雰囲気が変わることがあるためです。
ただ、眼鏡店では加工代などを取っていない店がほとんどと思うので、
あくまで出荷前の話になります。
もちろん、デザインや出荷前の組付け段階で精度を求めなければ、
安価なツーポインフレームは作れるのかもしれないですが。
ツーポイントフレームが少ない理由
ツーポイントフレームが少ない理由としては、
出荷前でも、眼鏡店での販売時でも、人件費が問題と思います。
メガネフレームに限らず、物は工程数を省けば省くほど、安くなります。
ツーポイントフレームは、出荷前の段階から、かなり工程数が多いと推測されます。
もちろん、精度を下げれば、作業時間が短縮されるので、
安く作ろうと思えばできるかなと。
また、眼鏡店でも、ツーポイントフレームを作れる人が減少していること、
レンズを入れての作製作業に時間がかかることが要因ではないかなと、
個人的には思います。
レンズメーカーに郵送して、作ってもらうという手段もありますが、
ほとんどの眼鏡店は、加工代として費用をもらっていないため、
依頼料と送料がかかることはやりたくないと思います。
そのため、ツーポイントフレームを扱う製造工場や眼鏡店が減少してきたのかなと。
まとめ
ツーポイントフレームが割高感があるという話があったので、
今回は、その理由について、知っている情報と合わせて、推測してみました。
そのため、当てはまらない部分もあるかと思います。
でも、ツーポイントフレームは、デザイン時にしても、出荷前にしても、
作るのが大変です。
眼鏡店でもデモレンズを外して、バラバラにし、デモレンズと穴がズレないよう、
慎重に穴開けをし、削る段階で穴がズレないようにしてと、
羅列するだけで大変な作業が多いため、
価格については仕方ない分が大きいと思います。
素材の原料よりも、人件費の方が高くなります。
そういった点を考慮した上で、
ツーポイントフレームを見る際は、見た目の部品数の多さではなく、
・デザイン
・一つ一つのパーツの精度
・フチなしフレームとしての丈夫さ
・全体的なバランス
を見ていただければ。
次回は、『初期のプラスチックレンズCR39』について