マイベストプロ福岡
豊福祐史

一人一人に寄り添う眼鏡選びのプロ

豊福祐史(とよふくひろし) / 眼鏡小売店

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

コラム

初めての累進レンズで加入度を2.25D以上入れると?

2024年2月2日 公開 / 2024年2月3日更新

テーマ:知っておくべきレンズの話

コラムカテゴリ:くらし

累進レンズ、いわゆる遠近レンズを初めて使うと、
『きつい』『疲れる』『違和感が強い』など、様々な問題があります。

少なくとも2~3日、長くて1週間くらいは慣れるまで掛けてもらってます。

ただ、累進レンズがどうしても苦手という方、特に数本作って駄目だった方に関しては、
『中心がズレている』『度数が合っていない』
『求めている見え方に対して設計グレードが低すぎる』『加入度が強すぎる』
などの問題があることが多くあります。

今回は、『加入度が強すぎる』、具体的には
『初めての累進レンズで加入度を2.25D以上入れると?』ということについて。

加入度とは?

加入度とは、いわゆる老眼の度数と考えてもらうとわかりやすいと思います。
眼は毛様体筋を緊張させ、水晶体を膨らませることで、近くを見ることができます。
どこまで近くを見られるか、その力を調節力といいます。
この調節力は年齢とともに低下していき、それを老眼(老視)といいます。

この低下した調節力を補うためのレンズ度数が加入度ADDとなります。

加入度を強くいれると?

初めて累進レンズを入れる場合、加入度2.00D以下にすることが基本となります。
累進レンズは累進帯長の間で度数が変化します。
この累進帯長は当店の場合、14mmのものを使うことが多いですが、
中近レンズなら20mm、短累進なら9~11mmなど、状況によって使い分けます。

この度数変化を坂道に例えるとわかりやすいと思います。
加入度(標高)が上がっていくほど、また累進帯長(距離)が短い程、
斜面角度が急になり、きつくなっていくイメージになります。

累進帯長と加入度を、距離と標高に換算して例えてみると?

以下は、累進帯長14mm=距離1.4km、加入度1.00D=100mと置き換えた、
あくまでも例え話で、実際の累進レンズの疲れやきつさとは無関係ですが、
こういう違いがあると、イメージとして認識してもらえたら。

度数が標高、累進帯長を距離と例えた場合、
坂道の距離が1.4km(累進帯長)あるとして、標高が100m(ADD1.00D)とします。
すると、角度が約4度。
これが200m(ADD2.00D)の場合、角度が約8度になります。
250m(ADD2.50D)の場合、角度が約10度になります。

約4~8度の坂を1.4km歩くことは、意外に普通に行けるかもしれません。
でも、約10度の斜面といえば、初心者用のスキー場の斜面と同じくらいの坂になると思います。

つまり、初めての累進レンズで加入度2.00Dより強く度数を入れた場合、
運動していない人に、いきなり初心者用といえど、
スキー場の斜面を登らせているのと同じと考えたら、
ADD2.00Dを超えて入れたらきつくと感じる場合があるとわかると思います。

ADD3.00D必要であったとしても、遠くの見え方または近くの見え方を犠牲にして、
慣れることから始め、慣れてきた後にレンズを入れ替える方が無難と思います。

ただし、年齢によっては加入度が強くても慣れる方もおられるため、
求められる見え方があり、テストレンズで問題ない場合は、提案することはあります。

初めての累進レンズだけど、処方箋でADD2.25以上?

処方箋の場合、なにかしらの理由があって、その度数に決められているため、
眼鏡店では勝手に度数を変更できません。

初めての累進レンズで2.25D以上の場合、その加入度でも問題ないと判断されているはずです。
病気のためか、生活のためか、慣れると判断されたのかは、
診断された先生に聞いてみないとわかりませんが、何かしらの理由があるはずです。

また、丁寧な眼科の先生は
『初めての累進(遠近)なので、テストレンズで確認後、必要ならば変更してください』と
備考に書かれている場合もあります。

眼鏡店ではその理由を確認する術がないため、
疑問がある場合は、診断された際に、聞いてみると良いと思います。

まとめ

・累進帯長が短い程、度数(S、C)や加入度が強い程、歪みが大きくなる
・累進レンズはADD2.00以下にした方が良い
・まずは累進レンズに慣れることが重要
・処方箋は変えることができないので、疑問があるなら眼科医へ。

次は、『累進レンズは何歳から?』について

この記事を書いたプロ

豊福祐史

一人一人に寄り添う眼鏡選びのプロ

豊福祐史(株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room)

Share

関連するコラム

豊福祐史プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
0942-21-9220

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

豊福祐史

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

担当豊福祐史(とよふくひろし)

地図・アクセス

豊福祐史のソーシャルメディア

instagram
Instagram

豊福祐史プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ福岡
  3. 福岡のくらし
  4. 福岡のアクセサリー・装飾品
  5. 豊福祐史
  6. コラム一覧
  7. 初めての累進レンズで加入度を2.25D以上入れると?

© My Best Pro