外と室内で、モノの色が違って見えるのは?
『できるだけ視力を良くしたいので、度を強くしてください』
『この度数だと見えないので、もっと見えるようにしてください』
などの要望をいただきます。
結論としては、ご要望に沿えないことも多々あります。
なんで、要望に沿えない場合があるのか?
要望に沿えない理由として、人によって最大視力は違うことが挙げられます。
度数を強くすれば、どんどん視力が上がって、最大視力2.0まで見えると、
考える方が意外に多くおられます。
例外もあると思いますが、メガネやコンタクトなどを使用した場合、
完全矯正値のレンズを使用すると、その人の最大視力が出ます。
この最大視力は人のよって異なり、最大視力2.0の方もいれば、最大視力0.5の方もいたりします。
そのため、最大視力1.0の方が、視力2.0の見え方にしたいと言われても、
要望に沿えないということになります。
そもそもメガネレンズの機能は?
メガネの一般的な目的は、よく見たい位置の焦点距離に度数を合わせることです。
簡単にいうと、遠方用のメガネレンズは眼の度数を正視に、
近方用のメガネレンズは眼の度数を近視状態にすることが機能になります。
人の眼やレンズの度数は、ディオプター(D)という単位で表されます。
コンタクトレンズを使っている方は、処方箋でよく見る単位と思います。
視力測定されたときのレンズの度数は、
近視ならー1D・ー2D・ー3D・・・、
遠視なら+1D・+2D・+3D・・・、
正視なら0D
一般的に最もよく見えるのは正視(0D)で、無限遠方に焦点があっている状態です。
近視・遠視は度数の分だけ、焦点が合っていないことになります。
度数を強くするとぼやける理由
度数は数直線を思い浮かべてもらえるとわかりやすいと思います。
眼球の度数
遠視・・・ー3D、ー2D、ー1D、0D、+1D、+2D、+3D・・・近視
通常、近視や遠視はレンズの度数で表記するので、
近視は-、遠視は+になります。
ただ、これは眼球の度数を打ち消すためのレンズの度数なので、
眼球の度数の符号は、レンズと逆になります。
例えば、近視の人で視力測定の結果が-3Dとすると、
眼の中には+3Dのレンズが入っています。
レンズの度数(-3D)+眼の度数(+3D)=正視(0D)
これをー4Dのレンズを入れた場合、
ー1Dとなるので、遠視状態となり、その分だけぼやけることになります。
ただ、最小錯乱円になる等価球面値に近くなる場合もあり、
その時は、乱視が消える、または弱くなることで、視力が向上することもあります。
ただ、それなら疲れにくいように乱視の度数をいれれば良いだけなので、
例外を除いてお客様のメリットはあまりないかなと。
その場合、眼が疲れやすくなることも推測されます。
つまり、最適な度数より弱くても、強くてもぼやけるし、
強いとその度数に眼が合わせようとして、調節力を使うので疲れてしまうということです。
なので、メガネを作製する場合、『使用目的』『要望』『見たい距離』『許容できる範囲』などを、
きちんと相談した方が良いです。
まとめ
・度数は強くても弱くてもぼやける
・度数が強いと、乱視が消えて、視力が向上することも。
・度数が強いと、本来はぼやけているのを眼が調整して見えるようにしている
・度数が強いと、疲れてしまう
・時間をかけても良いので、眼鏡店ときちんと話し合う
次は『透明なサングラスって何?』について