PD0~∞?どこで削っても関係ない乱視
『歪みの少ない非球面レンズって何?』と、聞かれることがあります。
レンズは大きく球面・非球面とありますが、私自身も、眼鏡業界に入る前は、
『どのレンズも丸っこいのに、なんで非球面?球面じゃないの?』と思ってました。
なので、今回は球面・非球面の違いを。
球面・非球面?
球面レンズはカーブが強く、周辺部にいくに従って、歪みが強くなります。
それに対し、非球面レンズは、カーブが比較的緩くなっており、
その歪みが補正されているレンズになります。
要は見えにくいものを、見えやすくしたものが非球面レンズということです。
見え方の違い
視力などは特に変わらないと思いますが、
球面レンズで正面を見た際、
周辺部が歪でいると違和感が強いと思います。
当然、レンズの周辺部を使って上下左右を見ると、
歪みがあると思います。
非球面レンズになると、その歪みを補正しているため、
レンズのどの位置を使っても、球面レンズよりも
その差が少なく感じると思います。
非球面レンズはどれも同じ?
非球面レンズはどれも同じわけではないです。
非球面レンズも、外面非球面・内面非球面・両面非球面とあり、
大抵の場合は、両面非球面が最も歪みが少なくなります。
メーカーによっても精度は違うので、なんとも言えないですが、
眼鏡専門店がレンズのメーカーやグレードを説明するのは、
その価格と品質のバランスに、納得してもらうためになります。
もちろん、とにかく安いものと言われれば、
その店で一番安いレンズを出すと思いますけど。
設計が悪いレンズだと眼が悪くなる?
レンズのせいで、悪くなることはないと思います。
というより、メガネのせいで目が悪くなるのは、
大抵の場合、成長や事故、病気などがほとんどじゃないかと。
ただ、メガネが原因である場合は、度が過矯正、PDのズレ、上下ズレなど、
レンズそのものではなく、測定や加工ミスじゃないかなと。
そうならないように、眼鏡作製技能士は、細心の注意を払って、メガネを作ります。
メガネを作るなら、両面非球面の方が良い?
とにかく設計が良いものと言われれば、両面非球面、
さらにはオーダーメイドのインディヴィジュアルクラスを提案されると思います。
でも、それが必要かどうかは、その人次第ではないかと。
確かに、両面非球面のインディヴィジュアルレンズとなると、
見え方がかなり良くなると思います。
でも、その見え方にどこまでの価値があるかは、
その人次第ではないかなと。
というのが、ハイグレード、ハイエンドのレンズを使っても、
あまり見え方に変化がない方もおられます。
見え方に変化がなければ、グレードの高いレンズは必要ないです。
なので、今使っているレンズのグレードを参考にしても良いかなと。
両面設計とは?
両面設計という言葉を聞くこともありますけど、
これの定義はよくわからないです。
両面非球面のことを言っている場合もあるし、
それではない場合も。
レンズは通常、表面にS面(近視・遠視)、
裏面にC面(乱視)が入っていることが多く、
それを両面設計といっているのか、
両面非球面のことを言っているのか。
それを質問されても、わからないので、
直接、そのお店に聞くのが良いかなとは思います。
現在、球面レンズってどれくらい使われている?
当店の場合、球面レンズは基本的に使ってないです。
特殊な場合を除いてですけど。
非球面レンズでも低価格のものはあるので、
球面レンズを使用する理由があまりないかなと。
まとめ
・球面レンズでは違和感がある場合が多い。
・非球面レンズは比較的歪みが少なくなっている。
・非球面レンズにもグレードがあり、値段も違う。
次は『メガネで金属アレルギー?』