度数ではなく、色でモノを見えさせるコントラストカラー?
レンズは無色透明なので、種類もさほど多くなく、単焦点・遠近・アシストくらいと思われている方も多くおられます。
自分自身も、眼鏡店でなければ、せいぜい数種類、それにカラーや特殊なものが少しあるくらいと思っていたかも。
メガネが使われ始めた時代ならまだしも、現在のレンズはそのニーズに合わせて、より高機能で、多種多様多機能なものが次々に出てきています。
同じ単焦点レンズ、同じ遠近レンズでも、その種類と機能は様々です。
レンズの種類は?
レンズの種類は商品名や設計など、分け方で大きく異なります。
今回はわかりやすく、『累進屈折力レンズのデザインと隠しマーク集 改訂版 vol.05』という本を参考にします。
この本は、眼鏡店が遠近レンズを見分けるための隠しマークだけでなく、メーカー・商品名・屈折率・比重・アッベ数・累進帯長・アイポイントなどが記載されてます。
この本では遠近レンズだけを商品名で分けられてますが、ざっと数えただけでも734種類。
また、この本は主なメーカーの、主なレンズだけなので、記載されていない遠近レンズや、そもそも隠しマークが存在しない遠近レンズも相当あります。
加えて、単焦点レンズ、アシストレンズなどの種類も加えると・・・。
そのため、数千種類か、数万種類か、眼鏡店でもわからないくらい種類があるというのが答えになります。
レンズは何が違う?
レンズは主に、素材・設計・コートなど、この組み合わせがレンズの違いという方が、わかりやすいと思います。
素材により、屈折率やアッベ数、硬さなどが異なります。
一般的にはレンズの厚さに関係する屈折率の1.76、1.74、1.67、1.6、1.50などの表記で表されます。
最近はあまり言わなくなった気はしますけど、アイアス素材・アイノア素材・フェニックス素材などの素材名で分けることも。
プラスチックレンズと言っても、その素材としては、様々なものがあります。
設計はレンズのユレ・歪みをなくすためのもの。
水晶玉を通して、向こう側を見るのを思い浮かべていただくと、端がかなり歪んで見えると思います。
そのユレ・歪みを極力なくし、いかに自然に見せるため、メーカーは苦心されてます。
設計を細かく入れるほど、設計同士の干渉もあるので、緻密な計算の上で製造されます。
一般的には、両面非球面・片面非球面・球面で大まかにわけられます。
ただ、レンズメーカーのHOYAを参考にすると、両面複合累進設計indivisual・両面複合設計・両シンクロ設計・外面累進設計などの分け方をすることも。
単純な設計程、作りやすくなります。
コートはレンズの表面処理のこと。
基本的に、ハードコートはあり、その上にマルチコートと呼ばれる、反射防止コート・ブルーライトカットコートなど、表面の丈夫さも含めて様々な機能を付与します。
これらの組み合わせにより、価格や機能に大きく差がでてきます。
結局、どのレンズが一番良いの?
レンズは数千円以下から、10万円以上まで、かなり価格帯があります。
なので、金額を度外視し、とにかく一番見え方が良いと思う方は、一番高くて設計の細かいレンズを選んだら良いと思います。
ただ、自分自身が必要としない機能まで揃ったレンズが本当に必要でしょうか?
例えば、度数が軽く、レンズの設計が細かくても、そうでなくても、あまり感じ方が変わらない人がいます。
こういう人には高いレンズを使う意味が少ないと思います。
逆に、乱視が異常に強いため、設計の良い方が歪みが少なくなる人もいます。
その人にとっては、価格だけではなく、価格と性能とのバランスが合ったレンズが良いと思います。
工事現場など、レンズを傷つけやすい環境の方には、コートが強いものが良いと考える反面、逆に安いレンズで、1年に一度替えた方が良い場合もあります。
自分がどういう眼の状態で、何を重視するか、どこまで妥協できるかで、必要なレンズは変わっていくので、一番良いレンズは人によって違うというのが答えと思います。
まとめ
レンズの種類は単焦点や遠近レンズなどの括りだけでは把握できない程、種類が多いこと。
そして、価格や性能のバランスを考え、その人に合ったレンズを選ぶのが一番良いと思います。
メガネを購入される場合は、きちんと眼鏡店に相談して、レンズを選ぶことをお勧めします。
次回は『乱視って何? 勘違いしやすい眼の知識』について、コラムを書きたいと思います。