【第3回】いきなり原稿を書かなかった理由 ― AI時代の本づくりは「プロジェクト設計」から始めた ―
65歳、AIと一緒に本をつくる。『AI店長の道しるべ』出版プロジェクト日誌
本を書こうとして、立ち止まった
2027年2月18日、私の66歳の誕生日に『AI店長の道しるべ』を出版する。
その目標に向かって、ChatGPTの「皐月さん」、そしてCodexの「弥生さん」力を借りながら出版プロジェクトを進めています。
しかし、いざ本づくりを進めようとすると、一つの疑問が浮かんできました。
「私は、この本で何を伝えたいのだろうか?」
生成AIの活用方法を紹介するだけなら、すでに多くの書籍や情報があります。
私が書きたいのは、そういう本ではありません。
16年間の店長経験を通して得た知識、経験、ノウハウ、テクニック、スキル。
それらを生成AIと組み合わせ、これからの店長に役立つ一冊をつくりたい。
そのためには、まず自分自身の考えを整理する必要がありました。
そこで、皐月さんとの対話が始まりました。
店長の使命は「利益の確保」
皐月さんから質問されました。
「16年間の経験を通してたどり着いた、店長の使命とは何でしょうか?」
私の答えは明確でした。
「店長の使命は、利益の確保である」
売上を上げることはもちろん重要です。
しかし、いくら売上があっても、利益が残らなければ店舗経営は成り立ちません。
そして、利益を確保するために必要なのが、マネジメントとマーケティングです。
私が考えるマネジメントには、3つの柱があります。
計数管理
人事管理
オペレーション管理
そしてマーケティングは、インターネットやSNSなどのデジタル施策だけに頼るのではなく、チラシ、POP、接客、店頭イベントなどのアナログ施策も有効に活用する「ハイブリッドマーケティング」です。
この二本柱を実践することで、店舗の利益を確保していく。
しかし、私は皐月さんに、もう一つ大切なことを伝えました。
「何より大切なのは、店長としての自分自身の成長です」
私自身、これまで積み重ねてきた知識や経験があるからこそ、今の自分があると思っています。
もし今、再び店長になったら?
続いて皐月さんから、こんな質問がありました。
「もし今、再び店舗の店長を任されたら、最初の1か月で何から手をつけますか?」
私は、その場で思いついたことを答えました。
まず、スタッフ全員に自分自身のプロフィールを提示する。
「佐々木とはどのような人物なのか」
「これまで何をやってきた人物なのか」
それを知ってもらいたい。
なぜなら、私自身がスタッフだったら、新しく赴任してきた店長がどんな人物なのか知りたいと思うからです。
もっとも、今の若い人たちは店長のことなど知りたくないかもしれませんが……(笑)
そして次に、店舗の方向性を具体的に可視化し、スタッフ全員に伝えたい。
その中で、特に明確にしたいことがあります。
「私自身が、この店舗の店長として何を学び、どんなスキルを身につけるのか」
そして、
「スタッフがこの店舗で働くことで何を得られるのか。その経験が、将来どのように役立つのか」
ということです。
実は、ここまで深く考えて答えたわけではありません。
皐月さんに質問され、その場で頭に浮かんだことを話しただけでした。
しかし、このやり取りから、私自身の人事管理に対する考え方が少しずつ明確になってきたのです。
人手不足の時代、働くことの価値を考える
昨今、多くの業界で人手不足が問題になっています。
求人募集をしても、人が集まらない。
店舗経営においても、人材の確保は大きな課題です。
そこで私は考えました。
「この店で働けば、お金以外にも得られるものがある」
そんな店舗が必要なのではないか、と。
もちろん、給与や待遇、働きやすい環境は大切です。
しかし、それに加えて、働くことで自分自身が成長できる店舗であればどうでしょうか。
例えば、私が店長であれば、スタッフにマネジメントを教えることもできます。
計数管理を学べば、売上や利益の仕組みが理解できる。
人事管理を学べば、人を育てることやチームづくりを考えられる。
マーケティングを学べば、商品を売る仕組みや、お客様を集める方法を理解できる。
さらに、今の私なら生成AIの活用方法を教えることもできます。
これらは、店舗の仕事だけに役立つ知識ではありません。
将来、別の仕事に就いたときにも、あるいは自分で事業を始めるときにも役立つ可能性があります。
つまり、店舗は単に給与を得る場所ではなく、将来につながる知識やスキルを身につけられる場所にもなれるのです。
もちろん、すべての人が仕事を通じたスキルアップを望んでいるとは限りません。
だからこそ、一人ひとりの希望を尊重しながら、学びたい人には学べる機会を提供する。
私は、そんな店舗をつくりたいと思います。
店長が成長し、スタッフが成長し、店舗が成長する
ここで、最初の話に戻ります。
店長の使命は「利益の確保」です。
その考えは変わりません。
しかし、利益を確保するためには、スタッフの力が必要です。
そして、スタッフの能力を高めるためには、店長自身も学び続けなければなりません。
店長が成長する。
スタッフが成長する。
その結果、店舗の組織力や販売力が高まり、利益の確保につながっていく。
私は、このような好循環をつくることが重要だと考えています。
そして、ここに生成AIの可能性があります。
店長の学習を支援する。
スタッフの教育資料を作成する。
売上データを分析する。
店舗の課題を整理し、改善策を考える。
生成AIは、さまざまな場面で力を発揮してくれるでしょう。
ただし、何を目指すのか、何を大切にするのか、最終的にどう判断するのか。
それを決めるのは、あくまでも人間である店長です。
AIとの対話で、自分の考えを発見する
今回、皐月さんとの対話を通して、改めて気づいたことがあります。
生成AIは、文章を書いてもらうためだけの道具ではないということです。
質問される。
自分の経験を振り返る。
思いついたことを言葉にする。
その答えに対して、さらに質問される。
こうしたやり取りを繰り返すことで、自分の中にあった考えが少しずつ整理されていきます。
今回も、最初から「スタッフにお金以外の付加価値を提供する店舗」というテーマで話し始めたわけではありません。
皐月さんとの対話の中で、自然と出てきた考えでした。
これこそ、私が今回の出版プロジェクトで実践したい生成AIの活用方法の一つです。
AIに答えをつくってもらうのではなく、AIとの対話を通して、自分自身の答えを見つけていく。
『AI店長の道しるべ』は、そんな方法でつくり上げていきたいと思っています。
次回予告
今回の対話では、店長の使命である「利益の確保」と、そのために欠かせない「店長とスタッフの成長」について考えました。
しかし、考え方が明確になっただけでは、店舗は変わりません。
それを現場でどのように実践するのか。
そして、生成AIをどのように活用するのか。
次回以降も、16年間の経験を振り返りながら、一つずつ考えていきたいと思います。
66歳の誕生日まで、あと約4か月。
完成を急ぐのではなく、自分自身が理解し、説明できる一冊を目指して。
出版プロジェクトは続きます。
株式会社CNCコンサルティング
生成AI活用アドバイザー
経験を力に、AIを右腕に。
■ すべてのコラムはこちら
https://mbp-japan.com/fukuoka/cncconsultingpro/service1/
■ 株式会社CNCコンサルティング 公式サイト
https://cncconsulting.pro/



