35年越しの大型二輪挑戦記 第1回「65歳、再び大型バイクへ。」

「本当に自分がCB1300に乗っている。」
レンタル819熊本空港店をゆっくりと出発した瞬間、そんな思いが胸いっぱいに広がりました。
65歳で大型二輪免許を取得し、そのわずか数週間後。憧れ続けたホンダ CB1300 スーパーボルドールSPで、阿蘇を目指す旅が始まったのです。
最初は楽しさよりも緊張
正直に言うと、出発直後は景色を楽しむ余裕などありませんでした。
レンタルしたばかりの新しいバイク。しかも車両価格は200万円を超える大型バイクです。
「絶対に倒してはいけない。」
その思いが強く、アクセルを開ける手にも自然と力が入ります。
教習所では何時間も大型バイクに乗りましたが、公道を走るのは今回が初めてです。
信号待ちでは足の着き方を確認し、右左折では早めに減速するなど、一つひとつの操作を慎重に行いました。
まさに「初心を忘れず」の運転でした。
教習車とは違う乗り味
市街地を走りながら、教習車との違いを少しずつ感じ始めました。
まず驚いたのは、その安定感です。
1,284ccのエンジンと272kgの車体は、押して歩くと重く感じます。しかし、走り出すとその重さが安心感へと変わります。
速度が上がるほど車体はどっしりと安定し、まるで路面に吸い付くような感覚でした。
アクセルを少し開けるだけで、力強く、それでいて滑らかに加速していきます。
「これがCB1300なんだ。」
長年、多くのライダーに愛され続けてきた理由が、少し分かった気がしました。
緊張が感動へ変わる瞬間
走り始めて30分ほど経った頃でしょうか。
気付けば肩の力が抜け、周りの景色を見る余裕が出てきました。
熊本の空はどこまでも青く、少しずつ緑が増えていく景色に、「阿蘇が近づいてきたんだな」と実感が湧いてきます。
大型バイクは「怖い乗り物」というイメージを持たれることがあります。
私自身も免許を取るまではそう思っていました。
しかし実際に乗ってみると、その印象は大きく変わりました。
もちろん重量があり、慎重な操作は必要です。
それでも、丁寧に扱えば大型バイクは決して怖い存在ではなく、ライダーに安心感を与えてくれる頼もしい相棒なのだと感じました。
夢は、走り出すことで現実になる
私は43年ぶりに教習所へ通い、65歳で大型二輪免許を取得しました。
「もう65歳だから。」
そう考えていたら、この景色を見ることも、この感動を味わうこともできなかったでしょう。
何歳になっても、新しいことへ挑戦する価値はあります。
一歩踏み出せば、その先には想像していなかった世界が待っているものです。
この日、私が最初の30分で感じたのは、大型バイクの性能だけではありません。
「挑戦して本当に良かった。」
その気持ちこそが、この旅で最初に得た大きな収穫でした。
次回予告
次回は、いよいよ阿蘇の大自然へ。ミルクロードや雄大な景色の中を走りながら感じた、写真では伝わらない阿蘇ツーリングの魅力をお届けします。
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