「暴行客にラーメン提供。犯罪看過は罪にならない?」の記事が掲載されました。
専門家による時事ネタコラムのサイトに掲載されました。
http://jijico.mbp-japan.com/2013/08/06/articles3122.html
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例えば、小学校の運動会で自分の子を撮影したところ、他の子どもも偶然写り込んでしまった場合。その写真をSNSに掲載すると、その子の肖像権を侵害することになるのでしょうか?結論をいえば、一般的には肖像権侵害にはあたらないと考えられています。
肖像権とは、自分の肖像(写真等)をみだりに利用されない権利のことをいい、具体的には自分の肖像を撮影されることを承諾・拒絶する権利と、撮影された写真が公表されることを承諾・拒絶する権利の二つの権利から成り立っています。法律は明文で「肖像権」を規定しているわけではありませんが、肖像権が保障されていることを前提として、「肖像権が侵害された場合には民法上の損害賠償請求が認められる」とする裁判所の判例は確かに多数存在しています。
ただ、肖像権は「みだりに」利用されない権利であり、撮影・公表について承諾を得ていない全てのケースが違法な肖像権侵害となるわけではありません。最高裁判決(2005年11月10日)では「被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して」肖像権侵害にあたるか否かを判断すべきとされているのです。
今回の例では、「小学校の校庭という公共の場所で撮影されていること」「撮影の方法が盗撮のような不穏当なものではないこと」「他の子どもが写真の中 心になっているわけではないこと」「運動会であれば多くの保護者がカメラを向けていることは明白であること」などから、その子どもの親権者も一般的に写真 撮影を承諾しているとされるため、肖像権の侵害にはあたりません。
トラブルを防ぐためにも親権者の承諾を得るのが無難
とはいえ、余計なトラブルは避けたいところ。未成年の子どもの肖像権を持つのは、その子どもの親権者となりますので、SNSに掲載したい写真に他の子が写ってしまっている場合は念のため事前に承諾を得ておく方が無難でしょう。
最後に、SNSは「閉ざされた空間」という感覚もあるせいか、多くの人が気軽にプライベートな写真を掲載しています。しかし、公開範囲の設定次第では全世界に公開されます。また、その範囲を「友人・知人のみ」等にしていたとしても、その写真がシェアされて全く知らない他人にまで広がっていく可能性もあり、SNSに写真を掲載する際には肖像権の問題以前に一定の注意が必要です。