Mybestpro Members

有冨秀政プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

隣の家が境界ぎりぎりに建った。壊してもらえるのか

有冨秀政

有冨秀政

テーマ:お隣との境

お隣が建て替えを始めたら、新しい家がずいぶんこちらに寄っている。「境界から50センチ離すルールがあるんじゃないの?」——そんなご相談です。

前提: 民法には「50センチ」のルールがあります


民法は、建物を建てるときは境界線から50センチ以上離すよう定めています(民法234条)。お隣の建物が明らかにそれより近ければ、ルール違反の可能性はあります。



ただし、建ってしまった建物を壊してもらうのは、非常に難しいのが現実です。

裁判所の考え方


建築中であれば、工事の差し止めを求める余地があります。しかし完成後は、撤去までは求められなくなります。民法に、建築に着手してから1年がたつか、建物が完成したあとは、工事を止めさせたり変えさせたりすることはできなくなり、求められるのは損害の賠償だけになる、という定めがあるためです(民法234条2項)。実際の裁判でも、工事中に口頭で苦情を伝えていたものの、はっきり求めたのが建物の完成後だったために、撤去は認められず慰謝料20万円だけが認められた例があります(神戸地裁・平成15年)。

つまりこの問題は、タイミングが大事になります。基礎工事の段階で気づいて動くのと、完成後に動くのとでは、取れる手段が違います。

そして、もっと手前の問題があります


「境界から50センチ」を測るには、境界がどこか確定している必要があります。実際のご相談では、「近すぎる気がするが、そもそも境界がはっきりしない」というケースが少なくありません。境界があいまいなままでは、50センチの議論は始められないのです。

お隣の建築計画を知ったら、着工前に境界を確認しておく。これが予防策の最初のステップです。

この記事の使い方


今すぐ何かをする必要がなければ、それで大丈夫です。気になる箇所があったら、このページを保存(ブックマーク)しておいてください。

売却・相続・建て替え——土地を「動かす」節目が来たときに、思い出していただければ十分です。そのときに「うちの場合はどうだろう」を確かめたくなったら、北九州とその周辺で対応しています。ご相談はそのときで構いません。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

有冨秀政
専門家

有冨秀政(土地家屋調査士)

土地家屋調査士有冨秀政事務所

登記に記載された面積や境界が、現在の土地の状況と合っていないケースは少なくありません。古い図面の確認と現地の調査・測量を通じ、相続や売却の前に現状を把握。将来の境界トラブルや手続き上の問題に備えます。

有冨秀政プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

土地の境界線トラブルを予防するプロ

有冨秀政プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼