叱って伸ばすは時代遅れ?

北出慎吾

北出慎吾

テーマ:コラム

おはようございます。福井の社会保険労務士 北出慎吾です。先日、サッカーワールドカップのアジア最終予選が行われ、日本がバーレーンに勝利し、3試合を残し、史上最速でワールドカップ出場を決めました。史上最高のメンバーとも言われていますので本戦も楽しみですね。
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人事評価
叱って伸ばすは時代遅れ?パーソナル総合研究所が若手従業員のメンタルヘルス不調についの定量調査を行い、その結果を公表しました。若手社員への教育に悩む上司、管理職は非常に多いと思いますが、メンタル不調にならないよう、一人一人の特徴を把握しながら、教育を工夫している会社も多くあります。
今回調査で明らかにされたのは、【若手に特徴的な5つのストレス要因】

• 要因1《仕事のプレッシャー・難しさ》
20代正規雇用者がメンタルヘルス不調になった主な理由は、「仕事のプレッシャー・難しさ」が27.8%と最多。他年代と比べても20代でやや多く、特に20代女性で多い。次いで、「上司との関係・ハラスメント」。

• 要因2《拒否回避志向》
若年層ほど、他者からの否定的評価を避けようとする「拒否回避志向」(怒られたくない、人目を気にする、受け身の姿勢、失敗への恐れ、対立回避)が強い傾向。中でも、拒否回避志向は、保護的で従順さを期待される環境で育ち、インターネット検索に頼りがちだった人に多く見られる。また、若年層ほどこのような環境で育った人が多く世代による違いがある。拒否回避志向が強いほど、上司からの叱責によりストレス反応が高まりやすい。

• 要因3《キャリア不安》
20代の約8割が、将来のキャリアに不安があり、ストレス反応とも関連。

• 要因4《スクリーンタイム》
若年層ほどスクリーンタイム(スマホ等のデジタル画面の使用時間)が長く、特にテレワーク実施者やIT・間接部門・事務職で長い。スクリーンタイムが長いほど、脳疲労や眼精疲労、ストレス反応が高まる。

• 要因5《テレワーク下の孤独感》
20代では、30代以上と異なり、テレワーク実施者の孤独感が高い。

このような若手社員への上司の対応には、
• 拒否回避志向の強い若手部下をストレスなく成長させるには、叱責・放任より成長する業務分担やフィードバックが効果的。
• キャリア不安の強い若手部下の対応には、傾聴ではなく本音で話せる親密な関わりが効果的。
と分析しています。

また、早期相談を促す人事施策として
• 職場にメンタルヘルス不調を相談しない理由は、「相談しても解決につながらないと思った」が34.5%と最多。
• 相談の抵抗感の主な要因は、相談後の職場の対応イメージのなさや、相談により評価・評判が下がるとの予期。正規雇用者の約4割がこのような認識。
• 非管理職にも職場の対応イメージを持たせるため、研修や社内報を通じた非管理職向けの啓発施策が有効。現在は管理職・非管理職間の啓発状況の差が大きく、メンタルヘルス不調対応についての上司・部下間の知識・認識のギャップにつながっている 。

若手の傾向を理解しながら、どのように教育を行うか、伴走型の仕組みが必要と考えます。なかなか興味深いデータです。今後の人材育成の参考にしてくださいませ。
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/young-mental-health.pdf

【編集後記】
ワールドカップの組み合わせは世界ランキング上位が有利ですので出場を決めた後でも油断はできません。負けなしで予選を終えたいですね。

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北出慎吾
専門家

北出慎吾(社会保険労務士)

シナジー経営社会保険労務士法人

顧問契約(労働・社会保険の書類作成、手続き代行)や給与計算業務だけではなく、会社を発展させ、リスクから守る就業規則の作成、人事評価制度の構築や社員研修などを得意としている。返済不要の助成金提案も好評。

北出慎吾プロは福井テレビが厳正なる審査をした登録専門家です

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