「企業文化を醸成する」
おはようございます。福井の社会保険労務士 北出慎吾です。先日の皆既月食。ご覧になりましたか?私もスタッフと事務所の窓から眺めながら、「もう少しで、月が消える!」と話しながら完全月食になった時には、「お~っ!」と歓声を上げておりました。何百年かに一度の自然現象は人生にはほぼ影響がないのかもしれませんが、見ないと損した気分になりますね。ww
アメリカのSNS企業で大幅な人員整理が始まっています。先日のTwitter社の7,500人の従業員のうち、約半分の3,700人に解雇通知を行ったことに始まり、FacebookやInstagramを運営するメタ社も全社員の約13%に当たる11,000人超を解雇すると発表しました。アメリカの解雇やレイオフ(一時解雇)は、珍しくありませんが、人員削減の背景には、コロナ禍で大幅に設備投資や人員確保をしたものの広告収入が伸び悩み、両社とも去年1年間の業績の不振の結果による決断です。解雇者には退職金を支払い、その日以降、システムにアクセスできない措置をとるなどアメリカらしい対応ですが、アメリカと日本は解雇の要件が大きく違います。
日本の解雇は、労働契約法16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となる。」と定められています。
また、日本で経営不振などにより大規模な解雇等を行うには、裁判例で「整理解雇」と呼ばれる4つの要件をクリアする必要があります。
【整理解雇4要件】
1.人員整理の必要性倒産寸前に追い込まれているなど、整理解雇をしなければならないほどの経営上の必要性が客観的に認められること。
2.解雇回避努力義務の履行配置転換、出向、希望退職の募集、賃金の引き下げその他、整理解雇を回避するために、企業としての努力を尽くしたこと。
3.被解雇者選定の合理性勤続年数や年齢など解雇の対象者を選定する基準が合理的で、かつ、基準に沿った運用が行われていること。
4.解雇手続きの妥当性整理解雇の必要性やその時期、方法、規模、人選の基準などについて、労働者側と十分に協議をし、納得を得るための努力を尽くしていること。
判例を見ると、そこまでしなければいけないの?という状況もありますので、日本での整理解雇については特に厳しく見られるので、注意が必要です。SNS業界の構図も大きく変わる今回の人員整理。解雇について、今後も注目していきます。解雇のご相談は今も昔も変わらずありますが、解雇するためには、客観的理由をどう説明するかが重要なので記録に残すなどの対応は必須です。
最近はオンラインでの相談も増えていますので、ぜひこちらから。
https://kkr-group.com/inquirys
福井の社会保険労務士
北出経営労務事務所/シナジー経営株式会社
【編集後記】
ネットニュースで織田信長も見ていたかもしれない皆既月食と流れていたので、上手いこと言うなあと感心した今回の皆既月食と惑星食が同時に起こる天体ショー。見られてよかった。