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健康診断で異常の結果通知が出たら?

2016年9月22日 公開 / 2016年9月23日更新

コラムカテゴリ:ビジネス

事業主は常時雇用している労働者に対して一般健康診断を実施する義務があります。
対象となる労働者は、正社員や社会保険加入のパート労働者です。
春と秋で健康診断を実施している事業所も多いと思いますが、今回はこの時期多い、
健康診断結果について少し触れてみます。

健康診断の結果はプライバシーだとして会社に見られたくないと考える労働者も
少なくないようですが、健康診断が事業主の義務である以上、健康診断の結果に
ついては事業主が確認する必要があります。

労働安全衛生法では、
「健康診断の結果についての医師等からの意見の聴取」として
『事業者は、労働安全衛生法第66条の4の規定に基づき、健康診断の結果
(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)
について、医師等の意見を聴かなければならない。』と記載されています。
つまり、異常の所見があった労働者に対して医師の意見を聞く必要があるわけです。
「健康診断の最後に医師による問診があるから、それがそうじゃないの?」と質問が
ありそうですが、健康診断の問診はあくまでもその日の状況を確認するものです。
結果に対しての意見を聞いているのではありません。
よって異常の所見があった場合、事業主の義務として医師の意見を聞く必要が
あるのです。
具体的にどのような意見を聞く必要があるかというと、引き続き【就業が可能か】
どうかです。

大きく3つに分けられ
・就業可
 ・・・通常の就業で問題ない。
・就業制限
 ・・・勤務に制限を加える必要のあるものとして
   労働時間の短縮、出張の制限、時間外労働の制限、
   労働負荷の制限、作業の転換、就業場所の変更、
   深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講じる必要が出てきます。
・就業不可
 ・・・療養のため、休暇、休職等により一定期間勤務させない措置を講じます。

働くことと健康は切っても切り離せない、大事な関係。
年に1回の健康診断の結果を確認し、事業主として何をすべきかを確認しましょう。
ちなみに、異常の所見に対する医師の意見を聞く対応は、労働基準監督署の
調査対象にもなっていますので気を付けてください。

この記事を書いたプロ

北出慎吾

社会保険労務士として企業の成長に寄り添う人事労務のプロ

北出慎吾(北出経営労務事務所)

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