会社の飲み会の後の転倒ケガは労災?

北出慎吾

北出慎吾

先日、次のような相談がありました。

「会社の懇親会の帰りに社員が転倒して5針縫うけがをしました。これは労災ですか?
 ちなみに会社の懇親会は21時に終わり、二次会の帰りにけがをしたようです。」

近年、コミュニケーションの一環として「飲みニケーション」が再評価され、
定期的に開催している会社も増えています。

このような方が今後も増えてくるかもしれないので一度労災の考え方を押さえておきましょう。

いわゆる労災の通勤災害と認められるためには、まず業務との時間的な前後関係が必要です。

出社や退社の際には業務との関連性が強いということはお分かりになると思いますが、
業務後の懇親会やその他イベントに参加した場合、「業務」との関係はどうでしょうか。

今までの判例を見ていると、ポイントは2つあります。

1.懇親会やイベントが『業務』かどうか(業務との関連性)
2.業務(懇親会)終了後、何時間が経過したか

会社の懇親会やイベントであれば、業務との関連性も強くなります。
また業務との関連性が強いと言われるのは「会合が『業務』と言えるのは開始後2時間程度である」
との判断もあることから開始後時間が経過していれば業務との関連性が弱いと判断されることにもなります。

※3時間経過後、地下鉄階段で転倒し後頭部を打撲して死亡した件を
通勤災害と認めなかった判例もあります。

今回の件は、二次会まで行った後のけがですので、通勤災害とは認められない可能性が大です。

最終的には労働基準監督署が判断しますが、業務との関連性と開始後どれくらいの時間が
経過しているかを一つの目安としましょう。

くれぐれも飲み過ぎには注意ですよ!!

【編集後記】

来週はお盆休みのため、メルマガは休みとさせていただきます。
いつも最後までお読みいただきありがとうございます!!

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北出慎吾
専門家

北出慎吾(社会保険労務士)

北出経営労務事務所

顧問契約(労働・社会保険の書類作成、手続き代行)や給与計算業務だけではなく、会社を発展させ、リスクから守る就業規則の作成、人事評価制度の構築や社員研修などを得意としている。返済不要の助成金提案も好評。

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