購入店様やメーカー様に断られた家具修理にもチャレンジしています!
令和6年は、若手家具職人2名を迎えました。
人手不足の時代にありがたいことに、TOKI家具館メンテナンスは、20歳代の家具職人を増員することができました。
20歳代の若い職人たちと日々作業をすることにより、愛媛県立宇和島高等技術専門校で基本技術を教えてもらっていた時代を思い出し「初心に戻った気持ち」で日々の仕事に取り組んでいます。
TOKI家具館メンテナンスの家具職人は、家具づくりに必要な職業訓練を修了し、かつ国家検定家具製作技能士有資格者と限定しています。
思い出たっぷりで愛着ある大切な家具をお客様からお預かりするわけですから、この条件は家具屋さんの基本だと想っています。
今月は、地元誌マイタウンさんから、TOKI家具館メンテナンスの20歳代家具職人2名を取材してくれました。
マイタウンさん、ありがとうございました。(下の写真は記事をスキャンしたものです)
「椅子のぐらつき修理は家具修理の基本だと思う。」
写真のドレッサー椅子は、本年8月に張り替え修理したものですが、その後フレームにぐらつきが出たため改めてお預かりしたものです。
8月にお預かりした時、フレームのぐらつきを見抜けなかったことは反省材料です。愛媛県西条市・Z様、再びご依頼をいただき感謝いたします。
椅子のぐらつき修理は、椅子・家具の構造を理解するのに適しています。
部材同士の接合ヵ所を直接見ることができ、作り方を理解できとても勉強になります。
椅子のぐらつき修理は、家具修理の基本作業だと思い、はじめに取り組むべき作業だと思っているんです。
修理作業中①/フレームを可能な限り分解していきました。
お預りしたドレッサー椅子のフレームの各接合部にマスキングテープで墨付けしたのちに分解作業に入りました。
Z様の椅子は完全に分解することができましたが、全ての椅子が完全に分解できるとは限りません。
「椅子フレームをどこまで分解するか!」
「これ以上、分解すると割れたり折れたり壊してしまう!」
を感覚で悟り作業を進めるのが、むつかしいのです。
とにかく、椅子のフレームや家具全般の分解作業は慎重作業を肝に命じての作業なんです。
分解したのちに、各接合部に付いている古い接着剤を削り取っていきます。
修理作業中②/フレームの圧着(左右方向・前後方向・上下方向)作業
椅子本体のフレーム圧着作業は、フレームの構造によって工程を数回に分けて行っています。
①最初に前脚フレーム(左右方向)の圧着作業です。
本年導入したベッセイ(ドイツ製)クランプを使い、前脚フレームを圧着しました。
このクランプの長所は数ありますが、平面部材であれば当て木無しで圧着することができるのが最大の長所だと思います。
またベッセイ(ドイツ製)クランプは、竿に締め上げ部と同じ高さのスタンドが付いているので軽い部材の圧着時に、水平に養生しておくことができるんです。
写真左の黒い部材で竿に通してしているのがスタンドです。
②椅子本体の前後方向~上下方向の圧着作業
圧着作業ができあがった前脚の調整作業ののち、椅子本体を構成する部材の調整~圧着準備をしました。
ベッセイ(ドイツ製)クランプを多用して、椅子本体フレームを組み立て~圧着作業をしました。
前後方向の圧着作業の内、曲面加工している部材には、内アール加工している当て木を使い圧着しました。
脚先に取り付けてあった畳擦り板も、同時に圧着(上下方向の圧着)しました。
修理作業後/Z様の椅子のぐらつき修理が完成しました。
Z様の椅子は、ドレッサーにセットされた専用の椅子でした。
丈夫できれいに仕上がり良かったと想います。Z様、ご依頼いただきありがとうございました。土岐泰弘
公的補助金を利用して業務効率化を進めています。
TOKI家具館メンテナンスでは、約10年前より新居浜商工会議所 経営指導員様の指導をいただき公的補助金にチャレンジして、少しずつ業務効率化を進めています。
本年は、小規模事業者持続化補助金の採択を受けて、ベッセイ(ドイツ製)クランプ14本を導入することができました。
従来のクランプは、金属製のものが多く、重たく、金属で家具を傷つける可能性があるため必ず専用の当て木を準備して作業をしていました。
このクランプを使用することにより、家具の圧着時に必要な当て木が不要となるなど準備時間の短縮ができ、効率はかなり上がってきました。
新居浜商工会議所 経営指導員のみなさま、いつもご指導いただきありがとうございます。土岐泰弘