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コラム

続・偽装質屋

2013年7月12日 公開 / 2013年10月3日更新

テーマ:質屋

コラムカテゴリ:くらし

さて、今日は、「続・偽装質屋」についてお話したいと思います。
以前のコラムで偽装質屋についてお話しましたが、かなりヒドい被害が出ているようですので、改めて「偽装質屋」について詳しく述べたいと思います。

偽装質屋とは、質屋の看板を掲げていますが本当の質屋ではなく、その実態はヤミ金です。ヤミ金とは、違法な金利でお金を融資する悪徳業者を指します。

この偽装質屋の手口はこうです。例えば、100円ショップで買ったメガネや壊れた時計など、ほとんど「商品価値の無い」ようなものを質草という名目で担保に取り、数万円から数十万円というお金を融資します。本当の質屋の融資というのは、質草の価値の範囲でお金を融資しますので(例えば、10万円のルイヴィトンのバッグを質草(担保)にして、8万円のお金を融資する)、このように100円ショップで買ったメガネなどを質草に取ることはありません。

そして、このように高齢者にお金を融資し、毎月支給される「年金」を融資したお金の「利息」に当てさせるのです。こうなると、年金を利息の支払に当てさせる為、元金は減らず、ずっと年金を搾取され続ける事になります。

では、このように偽装質屋(ヤミ金)が暗躍してしまったのは、一体なぜでしょうか。これは、2006年の貸金業法改正が大きく影響しています。この法改正により、お金を借りる場合、「定期収入がある人」で「年収の3分の1」までという条件をもうけました。この結果、お金に困った人たちがヤミ金に流れてしまう結果となってしまったのです。

皆様、偽装質屋には十分ご注意ください。


いかがでしたでしょうか。

少し前に「死亡届けが出ていないのに、居なくなっている老人」の事が連日ニュースで報じられていたと思います。これは、偽装質屋が、毎月支給される「年金」を融資したお金の「利息」に当てさせている為、死亡届を出してしまうと、年金が出なくなり、結果として利息の支払が出来なくなってしまうからなのです。ですので、親が死んでも死亡届が出せず、親の死亡を隠して年金をもらい続ける事件が多発していたのです。

本来、年金を担保にした融資は、法律で禁止されています。
くれぐれもご注意ください。

少しでも、皆様の暮らしのお役に立てれば幸いです。
それでは、また、次回コラムでお会いしましょう。


有限会社池田質舗

この記事を書いたプロ

池田正一

質屋・鑑定のプロ

池田正一(有限会社池田質舗)

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