ルイヴィトンとオードリーヘプバーン
さて、第5回のコラムですが、鑑定書と鑑別書、保証書の違いについてお話したいと思います。
「え〜!たいした違いは無いんでしょー!」なんて声が聞こえてきそうですが(笑)、
最後までお付き合い下さい。
まず、鑑定書ですが、そもそも『鑑定』とは何でしょうか?
国語辞典にはこのように書かれています。
「鑑定・・・真贋・良否などを判定すること。目利き。」
という事で、『鑑定書』とは、
「真贋・良否などを判定した結果を書いた文書」
という事になります。
次に、鑑別書ですが、これまた『鑑別』とは何でしょうか?
国語辞典にはこのように書かれています。
「鑑別・・・よく調べて、種類・性質・真贋・質のよしあしなどを見分けること」
なんだか鑑定との違いが分かりにくいですね。
ですので、もう少し表現を変えてみましょう。
「鑑別・・・物事をよく調べて、その結果、見分けをつけること」
なんとなくニュアンスが伝わりましたでしょうか?
という事で、『鑑別書』とは、
「物事をよく調べて、種類・性質・真贋・質などの見分けの結果を書いた書類」
という事になります。
では、これらの言葉の意味が、我々質屋業界とどう関係してくるのでしょうか。
それはこのような形で現れてきます。
・ダイヤモンドの鑑定書
・宝石(ダイヤモンドやサファイヤ、ルビー等のカラーストーン)の鑑別書
なんとなく違いが伝わったでしょうか?
さらに、説明を続けます。
ダイヤモンド鑑定書の発行は、各鑑定機関が鑑定を行い発行します。国内のほとんどの
鑑定機関は、米国宝石学会(GIA)基準の鑑定表記を採用しており、その基準に従って鑑定を行います。そして、この鑑定書により、ダイヤモンドの価値が決まります。
しかし、カラット以外の項目、つまり「カット」「クラリティ」「カラー」については、鑑定士の目によるものですので、鑑定士によって鑑定のばらつきが出てくることもあります。
もっと説明を続けます。
宝石の鑑別書は、宝石の種類(ダイヤモンドなのか、サファイヤなのか、ルビーなのか)を証明したり、天然か人工か、または処理がなされているか、などの証明をしたりするものです。また、鑑別書には、高度や比重、屈折率などが記入されます。
これは、宝石の価値を決めるものではなく、あくまでも科学的根拠に基づいた結果、といった内容です。
また、鑑別書の内容は、鑑定士によって鑑別のばらつきが出ない(あるいは、出てはいけない)ものです。
なんとなく違いが伝わったでしょうか?
鑑定書と鑑別書を例えると、このような感じではないかと思います。
例)スポーツ選手の成績表
・鑑定書・・・100mを何秒で走れるか、腕立て伏せが何回出来るか、などの情報
・鑑別書・・・身長、体重、体脂肪率などの情報
とここまで来ると、「鑑定書」と「鑑別書」がまったく違ったものである事がお分かり頂けたかと思います。
鑑定書にしろ鑑別書にしろ、どちらもその宝石の品質を知る上で、大切な情報です。
機会がありましたら、お手元にある宝石の鑑定書や鑑別書をご覧になっては如何でしょうか?
このコラムを読んだ後なら、鑑定書や鑑別書が今までとは、きっと違って見えると思いますよ。
少しでも、皆様の暮らしのお役に立てれば幸いです。
それでは、また、次回コラムでお会いしましょう。