【豆知識】発明の日4/18
今回より侵害をチェックする検討方法を解説します。
第1回目は全体的な流れと侵害チェックの概要を解説します。
他者の特許を侵害しないようにするには
特許権(他の知的財産権、及び、不正競争法違反にも刑罰があります。)を侵害すると、シリーズ「知財リスクとは」で解説しました通り、訴訟や刑事罰のリスクがあります。
日本国内の場合には、「侵害」の手前(*「侵害」しているか否かは裁判で判断されるまで確定しません。)である訴訟沙汰に巻き込まれた段階で既にダメージを受ける場合があります。
なお、日本国というのは比較的知財リスクが低い国です。言い換えますと、米国や中国といった海外は訴額も大きいですし、日本国より訴訟になる可能性が高い(訴訟件数が圧倒的に多いです。)です。
特許庁 平成29年度知的財産国際権利化戦略推進事業 海外における知財訴訟の実態調査
https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota/document/kokusai_kenrika/h29_02.pdf
データから見る日本における特許侵害訴訟の現状
https://www.soei.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/85%E7%9F%A5%E8%B2%A1%E6%88%A6%E7%95%A5.pdf
https://soei.com/wordpress/wp-content/soeidocs/voice/71senryaku.pdf
統計データで見る米国特許システムの全体像
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2020/20200710.pdf
訴訟にならないようにする予防策は、基本的に他者の権利をしっかりと「調査」することにあります。
つまり、どこに地雷があるかをまずは把握しておくイメージです。
手順
一口に「調査」と言っても複数の種類/段階があります。
上図のように、調査は「方式」、「文言」、「抗弁」(法律等で統一された呼び方ではありませんので他では違う名称で呼ぶ場合もあります。)の3段階に分かれます。
なお、これは1つの特定した権利に対する「調査」になります。
各調査の内容
方式:権利の存続期間、年金、名義、権利の状態等の方式的な内容を調べます。
文言:特許の権利範囲を検討します。初期段階は文言解釈が中心になります。
抗弁:対抗できる権利/無効理由等を調べます。
検討対象となる特許を特定するには
特許権(国ごとに調べます。)を調査します。
例えば、特許情報プラットフォーム(下記URL)等を使って調べます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
上記のように調査(特に初めての方)をするのは高度なテクニックが必要です。
これを専門にしている調査会社もあるほどです。できれば調査も弁理士に相談するのをお薦めします。
公的な支援制度(例)
INPIT 特許情報分析支援事業
https://www.inpit.go.jp/katsuyo/patent_analyses/index.html
特許情報分析による中小企業等の支援事例集
https://www.inpit.go.jp/content/100872508.pdf
上記の内容で不明な点がございましたら、お手数ですがメール等でお問い合わせ下さい。
以上、ご参考まで。