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【知財】シリーズ:知財リスクとは(第1回)

2021年11月23日

テーマ:知的財産

コラムカテゴリ:法律関連

多くの方が知的財産で「リスク」といえばマスコミでよく取り上げられる訴訟を真っ先にイメージすると思います。
知的財産には訴訟ごとを含む様々なリスクがあります。本シリーズでは、リスクの種類を1つずつ解説していきます。

知的財産権に関する経営上のリスク

まず特許権を例に、最も皆様がよく耳にするであろう「訴訟」はどういったリスクがあるか種類だけ解説します。

特許法第68条
特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

この条文に登場する「専有」という言葉が重要です。他の知的財産権(商標権等)も基本的には同じです(下記URLをご覧下さい)。

特許庁 特許権侵害への救済手続
https://www.jpo.go.jp/support/ipr/patent-kyusai.html
特許庁 商標権侵害への救済手続
https://www.jpo.go.jp/support/ipr/trademark-kyusai.html
特許庁 意匠権侵害への救済手続
https://www.jpo.go.jp/support/ipr/design-kyusai.html
特許庁 著作権侵害への救済手続
https://www.jpo.go.jp/support/ipr/copyright-kyusai.html
特許庁 不正競争防止法違反被害への救済
https://www.jpo.go.jp/support/ipr/fusei-kyusai.html

「専有」できる権利であることを根拠に大雑把には下図のような権利があります。
知財リスク分類
マスコミで「特許侵害訴訟 〇〇億円」と取り上げられるのは、上図の権利のうち、損害賠償請求権(民事訴訟)の部分です。
もう一つ、マスコミが特許関係の訴訟で取り上げる「発明対価」の訴訟は、これとは異なります。
侵害訴訟は「特許権者 vs. 侵害者」の対立構造で、メーカ対メーカの場合です。
発明対価請求の訴訟は「従業員等(元従業員を含む。) vs. 所属組織」の対立構造です。

知財訴訟(特許以外を含む。第一審)は年間500件前後起きています。
https://www.ip.courts.go.jp/documents/statistics/index.html
ちなみに訴訟は海外の方が件数も金額も大きいです。

知財リスクの種類

上図のリスクを次回以降、下記の通りに分けて解説します。
 シリーズ第2回 差止請求権
 シリーズ第3回 損害賠償請求権、及び、不当利得返還請求権
 シリーズ第4回 信用回復措置請求権
 シリーズ第5回 刑事事件

典型的な訴訟構造

「訴訟」となった場合、多くの場合では、下記のように「訴訟」としては
「差止請求」と「損害賠償請求」の裁判をすることです(マスコミでは「損害賠償請求」の方を取り上げます)。
ちなみに「訴訟」とは別に「無効審判」を行う場合(下図の通り)が多いです。
訴訟と審判
「訴訟」は裁判ですので裁判所で行いますが、無効審判は「審判(≠裁判)」であり、特許庁で行うものです。
ただし、この構造は絶対でなく、ケースバイケースです。

上記の内容で不明な点がございましたら、お手数ですがメール等でお問い合わせ下さい。
以上、ご参考まで。

この記事を書いたプロ

坪井央樹

弁理士・中小企業診断士の資格を持つ知財関連の専門家

坪井央樹(武和国際特許事務所)

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